(写真提供=SPORTS KOREA)チャ・ジュンファンとブライアン・オーサー

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平昌五輪を目前に控え、韓国フィギュアスケート界で大注目されているチャ・ジュンファン。弱冠15歳にして韓国男子フィギュア史上初めて80点台を獲得するなど実力は折り紙付きだ。

例えば昨年12月の「2016〜2017国際スケート連盟(ISU)ジュニアグランプリ(GP)ファイナル」では銅メダルを獲得している。振り返れば羽生結弦も14歳のときに同大会で優勝しており、メダルの色こそ劣るものの、チャ・ジュンファンは若き日の羽生に迫る活躍を見せていると言っていいだろう。

しかも、彼が指導を受けているのは、羽生のコーチを務めるブライアン・オーサーだ。

彼はかつてキム・ヨナも師事した人物であり、羽生とともに“最強のコンビ”と呼ばれることもある。そんな名コーチが直接指導しているという事実は、チャ・ジュンファンに対する韓国国民の期待感をますます高めている。

羽生との合同練習秘話

実際、オーサー自身もチャ・ジュンファンには期待を寄せている。2015年には韓国メディア『東亜日報』のインタビューに対し、こう語っている。

「チャ・ジュンファンはチャンピオンへの道を歩んでいる」

チャ・ジュンファンの才能と実力を認めていることが端的に伝わってくる言葉だが、その根拠も説得力がある。

「チャ・ジュンファンはカナダのトロント・クリケット・スケーティング・アンド・カーリング・クラブで、羽生結弦とハビエル・フェルナンデスとともに練習をしながら、世界最高の選手がミスをする姿や高難度を決める姿をすべて見ている」

「(チャ・ジュンファンは)彼らの悪い点は避け、良い点は自分のものにするために努力している」

オーサーによれば、恵まれた環境に加え、チャ・ジュンファンの才能と情熱があるからこそ「ものすごく早く成長している」のだという。その素質は金メダリストを育ててきたコーチも認めているということだろう。

メンタル面を重視する理由

また、その環境の中でチャ・ジュンファンが得ているものは技術だけではないらしい。

「世界最高の選手たちとコミュニケーションを交わし、ともに練習をする中で、五輪などの大舞台に立つ選手に必要な“強心臓”を手に入れる秘訣も学べている」

オーサーは、練習中だけでなく実際に競技に臨む寸前にも精神力を強調しているそうだ。

「“君はすべての準備ができている。練習の成果と自分自身の強さを信じろ”と伝えている」

このようにメンタル面を重視するのはオーサーの指導スタイルなのだという。彼は「私の指導スタイルは優しい母親というよりは厳格な父親に近い」と説明しながら、「勇気のある選手をつくるのが目標」だと語っている。

「キム・ヨナよりも羽生に似ている」

こうしてチャ・ジュンファンはオーサーの下で世界最高レベルの技術と精神力を身に付けているわけだが、その演技には羽生に近いものを感じているそうだ。

「チャ・ジュンファンはキム・ヨナよりも羽生に似ている。今、チャ・ジュンファンは羽生が同年代のころにしていた演技をしている」

絶対王者・羽生を彷彿とさせる演技を見せているという言葉は、チャ・ジュンファンの可能性を何より示しているとも言えるだろう。

事実、オーサーは「チャ・ジュンファンはジャンプとスピンはもちろん、ステップ、スピード、トランジッションに至るまですべてを兼ね備えた選手だ」と高く評価している。

それだけに気になるのは、羽生と競演する可能性もある平昌五輪だ。
(参考記事:羽生結弦フィーバーで韓国ファンも大熱狂も…解決策が見えない平昌五輪“3つの問題点”

まだ出場権は確保されていないが、実現すればオーサーにとっては教え子同士の対決となる。この対決についてオーサーはどう見ているのか。

「私たちは家族のような関係だ。彼らのパフォーマンスを最高レベルに引き上げ、競争できるように成長させるのが私の任務だ」

残念ながらどちらが上回るかという点については言及されなかったが、「ジュンファンは平昌で表彰台に登るだろう」と話したこともあるだけに、期待がかかる。

日韓“同門対決”が実現すれば、平昌五輪もより一層盛り上がることだろう。

(文=李 仁守)