今年で6年目を迎える浜松開誠館(左)と広島皆実(右)の合同合宿。A戦もB戦も白熱した展開に。写真:安藤隆人

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選手権、プリンスリーグで巻き返しを──。
 
 浜松開誠館と広島皆実の強豪2チームが、浜松開誠館高校で3泊4日の合同合宿を行なった。この合宿は今年で6回目を迎える。その経緯を広島皆実・藤井潔ヘッドコーチはこう振り返る。
 
「2012年あたりから、青嶋文明監督と親交が深まり、サッカー観など勉強になることが多かった。それに実際に練習を見て、ゴールに向かっていく姿勢など、ウチがもっと学ばなければいけないものを持っているチームだったので、一緒に合宿をやりましょうと話すと、青嶋監督も快く応じてくれた。オン・ザ・ピッチでもオフ・ザ・ピッチでも、指導者同士、選手同士で交流やサッカー観の議論ができて、よりゴールに向かう姿勢が養われる。去年は応援団長同士で、応援のバージョンなどを議論して、ウチが選手権に出たときに一緒になって応援を考えてくれた。今年は特にお互い期するものがあって、熱い合宿になっています」
 
 これに対し、青嶋監督も「フェスティバルを回るのも良いけど、それだとゲームだけになる。しっかりと違う強豪チームと一緒にトレーニングをすることで、より大きな成果を得られると思っていたタイミングでした。普通はそういうのを嫌がる指導者がいる中で、藤井さんと意気投合したんです」と語る。いわば、「相思相愛」で実現したのだ。
 
 6回目の今年は特別な意味があった。それはこの合同合宿に臨む両チームの境遇が不思議なほど一致してのだ。
 
 浜松開誠館はプリンスリーグ東海で開幕4連勝を飾り、インターハイ予選中断前の戦績が4勝1分けの首位。インハイ予選準々決勝で常葉学園橘に敗れるとそこから崩れ、プリンス再開後に3連敗、4位に転落した。
 
 広島皆実もプリンスリーグ中国で開幕4連勝。インハイ予選中断前まで4勝1敗の首位だったところが、2回戦で広島工大高に1-2で敗れると、プリンスで3連敗を喫し、一気に6位に後退した。
 
「力を出し切れない試合が沢山あって、新人戦、プリンス、インハイ予選で取りこぼしが連続していた。特にフィニッシュの部分の改善には意識的に取り組んだし、勝利を引き寄せるために、生活面を含め細部にまでこだわってやろうと、和倉ユース、合同合宿に臨めた。いま思うと、シーズン前半は『こんなはずじゃなかった』と全員が思ってやっていた。だからこそ、ここで一度細部にしっかりと向き合った」(藤井ヘッドコーチ)
 
「両チームとも選手の『自立』という課題が明確にあった。ピッチ上で自立できないから取りこぼしがある。今回の合同合宿は単純に練習、試合をするのではなく、より発言したり、意見をぶつけ合ったり、キツい中で連帯感やリーダーの誕生など、人間的な成長を求めて臨むことができた」(青嶋監督)
 
 並々ならぬモチベーションで臨んだ合同合宿。初日からお互い打ち解け合って、ピッチ内外で円滑なコミュニケーションがあった。3日目には浜松開誠館がいつもやっている過酷なフィジカルトレーニングを、広島皆実の選手たちも一緒になりフルでこなした。そして、合宿最終日には「ガチンコの真剣勝負」と両指揮官が語ったように、35分ハーフのA戦とB戦を行なった。
 
 合宿最終日とあって、両チームとも立ち上がりは身体が重く、特に広島皆実の選手の動きは鈍かった。しかし、時間の経過とともに球際の激しさ、ゲームのテンポが上がり、後半は白熱の展開となった。
 
 ゲーム内容を振り返ると、前半16分に右サイドを突破したMF鈴木凱人の折り返しをMF岡島温希がシュート。そのこぼれを拾ったDF古田裕士朗が左足で押し込んで、先制点を挙げた。同21分には岡島が抜け出し、すかさず追加点を挙げ、前半でリードを2点に広げた。