北朝鮮国内の非公開の場所で発射された大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」。朝鮮中央通信(KCNA)配信(2017年7月29日公開)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ウクライナ国立宇宙機関(SSAU)は15日、北朝鮮のミサイル開発で使用されたとみられるエンジンについて、ウクライナの工場で製造されたものだったと認めた上で、その目的はロシアに供給する宇宙ロケットへの搭載のみだったと発表した。

 英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」は14日に発表した報告書で、北朝鮮がこのところ長距離ミサイルの開発で急速な進歩を遂げた理由は、旧ソ連構成国のウクライナの工場で製造された「RD250(RD-250)」ロケットエンジンを改良して使用したことにあるとみられると指摘していた。

 同研究所によると、これらのエンジンはロシアまたはウクライナの兵器庫の従業員が不正に密売し、犯罪組織によって北朝鮮に密輸された可能性があり、その時期は1991年のソ連崩壊と現在のウクライナ危機の間だったとみられる。

 SSAUのユーリー・ラドチェンコ(Yuriy Radchenko)会長代行は記者会見で、RD250エンジンは2001年までウクライナのユジマシ(Yuzhmash)で製造され、ロシアに供給されたロケット「ツィクロン2(Cyclone-2)」と「ツィクロン3(Cyclone-3)」に搭載されていたと説明。

 問題のエンジンとロケットはいずれも「ロシア向けにユジマシで製造された」もので、ロケットの総数は233機に上り、宇宙への打ち上げに使用されたという。

 同氏はウクライナ側が把握している情報として、ロシアは現在ツィクロンロケットを7〜20機所有しており、同国はRD250エンジンとその設計図を「誰にでも意のままに供給できる」と指摘。さらに、同エンジンの使用に必要なロケット燃料の製造技術を所有しているのは、ロシアと中国だけだとの見解を示した。

 これに対しロシアのドミトリー・ロゴジン(Dmitry Rogozin)副首相は、北朝鮮が同型のエンジンを模造するには、ウクライナの専門家の支援や、エンジンやその設計図の不正入手が不可欠だとの見方を示している。
【翻訳編集】AFPBB News