Rettyグルメニュース

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2017年4月に石川県・金沢の東茶屋街にオープンした、通常のアイスと大きな違いがあることで大人気になった「金座和アイス」。その違いとは、なんと「アイスなのに溶けない」のだそう。

そして、同年7月に「金座和アイス」東京一号店が原宿にオープンしました。

アイスなのに本当に溶けないの? 溶けない秘密は一体なに? そもそもそのアイスは美味しいの? 好奇心たっぷりで「金座和アイス 原宿店」を訪れてみることに。

そして訪れたお店の外観は若者の街原宿にふさわしい、ポップなピンクの看板とバルーンが飾られていました。

一歩中に入ってみると、赤い大きな和傘が目に飾られており、急に古都「金沢」のイメージに。

溶けないアイスのメニューは、金沢藩「前田家」の家紋をモチーフにしたものや、「雪吊り」を模ったもの。熊本地震の復興支援の目的で作られた「くまモン」の他、キャンディタイプのアイスなどがあります。

 どのメニューも500円(税込)で、注文すれば1種類のトッピングが選べます。

今回は梅を形取った「福梅風アイス」にきな粉のソースをかけたものと、原宿店限定の「マンゴーのキャンディーアイス」にブルーベリーのソースをかけたものをオーダーしました。

▲手前から「福梅風アイス」きな粉ソースかけ(500円)「マンゴーキャンディー」ブルーベリーソースがけ(500円)

いつものアイスの感覚で「溶けないうちに早く撮らなくちゃ!」と焦って写真を撮っていましたが、そうだ溶けないアイスなのでした。金座和アイスは40℃で3時間溶けないそうなんです。

見た目は和をイメージした素朴ながらも、天然の食材の色合いが優しい雰囲気。普通のアイスと特に変わった様子はありません。さて、肝心の味は一体どうなのでしょう。

 

溶けないと聞いてたので、少し硬い食感のアイスなのかな?と勝手に想像していましたが、歯ざわりはふんわり。空気をたっぷり含んだクリームを冷やし固めたマシュマロに近いような不思議な美味しさ。甘さ控えめで優しい味わいです。

 金座和アイスが本当に溶けないのか、炎天下の下検証!

奇しくもこの日の東京の最高気温は37℃。本当に金座和アイスが溶けないのか、試すには絶好の天気です。

バニラの金座和アイスと普通のバニラアイスを、炎天下の竹下通りで10分持って検証してみました。

こちらは一般的なバニラアイス。

こちらがバニラの金座和アイスです。

アイスを2つ持って竹下通りにいると、行き交う若者はそのアイスを見て「あ、溶けないアイスだよね」ってコソコソ話ながら、人によっては「本当に溶けませんか?」と話しかけてくれる若者まで。溶けないアイスは原宿の若者の間で既にかなり知られている様子。

さて、10分が経過しました。

 一般的なバニラアイスはもう原型をとどめていません。5分を過ぎたあたりからぽたぽた溶け出し、持っているのがやっとの状態です。

 

 

違いは一目瞭然。驚くことに、炎天下の中10分経っても、金座和アイスは見た目の変化はほとんどありませんでした。

溶けないアイスはなぜ溶けないのか、開発者の太田教授に聞いてみた!

溶けないことは実証できましたが、さてこの溶けないアイス、一体なんで溶けないの? そもそも、どんな風にして誕生したの?

疑問は膨らむばかり。そこで、この溶けない技術の開発者である金沢大学 太田冨久名誉教授に、その秘密や開発秘話をお伺いしました!

お話を伺った方

太田冨久教授

金沢大学名誉教授。1994年東北大学薬学部助教授を経て、1997年金沢大学薬学部教授に就任。 その後2001年金沢大学機器分析センター長、2006年金沢大学ベンチャービジネスラボラトリー長、 2012年金沢大学大学院特任教授(医薬保健学総合研究科)、2017年金沢市異業種研修会館館長など 幅広く活動。 

 

ーー太田先生、「溶けないアイスクリーム」の誕生のきっかけを教えてください。

「私が、溶けないアイスクリームの鍵となる「いちごポリフェノール」の研究を20年以上しています。いちごポリフェノールは、抗酸化作用、抗炎症作用、美白効果など健康や美容にいい効果がたくさんあるため、もともとは薬やサプリメントに使われている成分です。また、いちごポリフェノールはいちごを濃縮して作ったエキスであるため、いちごの色と香りを活かすお菓子作りにも利用されていました。

そんないちごポリフェノールを使っているお菓子職人から、「生クリームにいちごポリフェノールを入れてホイップすると、通常のホイップクリームより早く泡立ち、温度が変わってもクリームがだれずに非常に扱いやすい」との声が聞かれました。それからいちごポリフェノールの特性をアイスクリームに用いれば、溶けないアイスクリームができるのではないかと思って作り始めました」

ーーーいちごポリフェノールを加えると、どうしてアイスクリームが溶けないのですか?

「いちごポリフェノールに含まれる「保形性」が作用しています。わかりやすく言うと、アイスクリームの中の脂肪分と水分をつなぐ「橋渡し」のような役目をして、脂肪分と水分が一体となったままでいるのです。通常アイスクリームは空気の周りを脂肪分と水分が取り囲んでおり、その水分は冷凍庫の中では氷として固まっていますが、温度が上がると氷が溶けて水になって脂肪分と分離するため、溶けてしまいす。しかし、「橋渡し」の役割をするいちごポリフェノールは温度が変わっても脂肪分と水分をがっちり繋いだままでいるため、アイスクリームが溶けないのです。40℃の環境で3時間置いても溶けないんですよ」

ーーーいちごポリフェノールの特性をアイスクリームに活かすまで、苦労された点はありましたか?

「いちごポリフェノールの配合量を決めるまでは苦労しました。配合量が多すぎると、やはり硬すぎて口当たりが悪くなってしまうので、溶けないけれど口どけも良いベストな配合を決めるまでは試作の繰り返しでした」

ーーーこの溶けない技術が、これから何か他に目的で活かせるなど展望はありますか?

「栄養剤の分野などに活かせないかと考えています。アイスクリームのように冷たくて甘く口どけのいいものなら、スプーンですくって子供から高齢者までみんな食べやすく、美味しく栄養や水分の補給ができる。そんなことができたらいいなと考えています」

ーーー最後に何か金座和アイスを食べる方にメッセージなどあればお願いします。

「普通のアイスクリームは一度溶けてしまったものを再度冷凍庫に入れても、霜ができたようになり、食感も変わってしまいます。実はこのいちごポリフェノールを使ったアイスクリームは、温度が上がって冷たくなくなってしまっても、冷凍室に入れればまた元の状態に戻るのです。ですから、持って帰っておうちで再び冷凍庫に入れて、みんなで楽しんでもらえたらと思います」

 

いかがでしたか?溶けない不思議な金座和アイス。食べている間に溶けて手がベタベタになったりしないので、食べ歩きや、小さい子供でも食べやすいそう。そして、この技術が美味しいだけじゃなく、将来人類の健康のために生かされるかも、と想像するのも楽しいですね。

店舗は金沢、大阪、東京のみですが、ネットで購入が可能です。ぜひ味わってみてくださいね。

http://ice.biotherapy.co.jp/

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