80〜90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第8回は、自動車デザインの歩みを大きく進めた、いすゞのスペシャリティカーに太鼓判です。

ジョルジェット・ジウジアーロによるクーペプロダクト・アッソシリーズの3作目として発表された「アッソ・ディ・フィオーリ」。その量産型として1981年に登場したのが初代ピアッツァです。

2ドアクーペとしてパーフェクトなプロポーションは、わずか1300ミリの全高でありながらルーミーなウインドウグラフィックを持ち、かつ乗車定員5名という実用的パッケージングを誇ります。張りのあるボディパネルは、ショルダーを1周する深いプレスラインによってさらに引き締められ、高い面質を実現。また、がっしりとしたプレスドアによって、全身に骨太感も備えました。

さらに、面を意識したアルミホイールや、異例にスマートなフェンダーミラーなど、付属パーツにまでボディのデザインテーマが徹底されているのも見事です。

その美しさですでに評価を固めているピアッツァですが、同時に、スカート一体形バンパーによるまったく新しいボディデザインと、徹底したフラッシュサーフェス、先進性と合理性を両立したインテリアにより、80年代以降のデザイン言語を確立してしまったことも画期的です。

ジウジアーロは前作の117クーペも手掛けましたが、いま振り返れば、ピアッツァとのわずか2台で、60年代以降40〜50年間もの自動車デザインの表現を提示してしまったとも言えるのです。

もちろん、故・井ノ口誼デザイン部長をはじめとした当時のいすゞデザインチームに、新世代コンパクトを打ち出したいという明確なビジョンがあったことが背景であるのは言うまでもありません。初代ピアッツァは、単に美しいとかカッコいいクーペということに止まらず、現代の自動車デザインの源流になっているのです。

●主要諸元 いすゞ ピアッツァ XE(4AT)
型式 E-JR130
全長4310mm×全幅1655mm×全高1300mm
車両重量 1205kg
ホイールベース 2440mm
エンジン 1949cc 4気筒DOHC
出力 135ps/6200rpm 17.0kg-m/5000rpm

(すぎもと たかよし)

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