2016シーズンに京都でプレーしたアンドレイ(8)。日本での経験を欧州の舞台で活かせるか。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 開幕2試合で早くも苦境に立たされているのが、今シーズンからナントで指揮を執るクラウディオ・ラニエリ監督だ。
 
 開幕戦で同じく新任の知将マルセロ・ビエルサ率いるリールに0-3で完敗すると、続くマルセイユ戦も0-1で敗れて2試合連続の完封負け。しかもこのゲームでは、開始25分までに3人が負傷交代するという不運が重なり、一昨シーズンにレスターを「奇跡のプレミアリーグ制覇」に導いた名将も、頭を抱えるしかなかった。
 
 さっそく立て直しが迫られているイタリア人指揮官の救世主となりそうなのが、8月12日に入団が決定した元京都サンガのブラジル人MFアンドレイ・ジロットだ。
 
 2015年にパルメイラスで22年ぶりのリーグ優勝に貢献して評価を上げ、2016シーズンにJ2の京都へ入団したアンドレイは、リーグ戦37試合に出場して5得点の成績を残す。中盤の要として、昇格プレーオフ圏の5位に入る健闘を見せたチームを牽引した。
 
 シーズン終了後、惜しまれつつ京都を退団したアンドレイが新天地に選んだのが、シャペコエンセだった。そう、昨年11月の飛行機事故で、選手やスタッフの大半が命を落としたあのクラブだ。その中には懇意にしていたプレーヤーも含まれており、「クラブ再建の手助けをしたい」という気持ちが移籍を決断させた。
 
 チームを一から作り直すことになったシャペコエンセには、当然ながら大量の新戦力が加入した。そのなかで副キャプテンに任命されたアンドレイは、ボランチとして攻守に存在感を発揮。大惨事からの復興を目指すチームの中心となった。
 
 ところが今夏、フランスから思いがけないオファーが届く。25歳のアンドレイにとっては、ようやく巡って来た欧州初挑戦のチャンス。わずか半年でシャペコエンセを去るのは後ろ髪が引かれる思いだっただろうが、ナント行きを決意した。
 
 当初は、シャペコエンセと浦和レッズが対戦する8月15日のスルガ銀行チャンピオンシップの来日メンバーにも名を連ねていたものの、ナントとの契約のためにフランスへ飛んだため、リストから外れている。
 入団会見でアンドレイは「ナントは偉大なクラブだ。入団できて嬉しい。ここに来る前にリーグ・アンでプレーしている何人かの選手と連絡を取ったんだけど、聞いていた以上にいいクラブだね。第一印象は最高だよ」と喜びを語った。
 
 また、ラニエリについては、「素晴らしい監督の下でプレーできて光栄だ」とコメントしている。
 
 アグレッシブな守備に加え、足下の技術も高いだけに、期待されているのは、指揮官がレスター時代に重用したエヌゴロ・カンテ(現チェルシー)のような役割だ。
 
 早ければ、8月19日に開催されるリーグ・アン3節のトロワ戦でデビューする可能性がある。アンドレイは「チームを助け、ファンを喜ばせたい」という言葉通り、出足で躓いたチームを救えるか――。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部