ロサンゼルス市内でプレス向けイベントに登場した、(左から)TVシリーズ「ジャンニ・ヴェルサーチの暗殺:アメリカ犯罪ストーリー」俳優のリッキー・マーティン、ダレン・クリス、エドガー・ラミレス、小説家でプロデューサーのトム・ロブ・スミス、プロデューサーのブラッド・シンプソン、ライアン・マーフィー(2017年8月9日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】米国のTVシリーズ「ジャンニ・ヴェルサーチの暗殺:アメリカ犯罪ストーリー(原題:The Assassination of Gianni Versace: American Crime Story)」がイタリア人ファッションデザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)の死を通して、1990年代のホモフォビアを描く。

 ヴェルサーチが1997年に銃殺されたマイアミの海岸沿いの邸宅にて撮影されたこの番組は、時代の変化を描いているのだとプロデューサーのライアン・マーフィー(Ryan Murphy)は取材陣に明かした。FXネットワーク(FX network)で来年放映される予定のこのシリーズでは、ヴェネズエラ人の人気俳優エドガー・ラミレス(Edgar Ramirez)がヴェルサーチを演じ、ペネロペ・クルス(Penelope Cruz)やリッキー・マーティン(Ricky Martin)も出演する。

■殺害理由は同性愛者?

 ヴェルサーチの国際的なファッション帝国は、洋服や香水、インテリア用品まで包括する。彼は50歳のとき、アンドリュー・カナナン(Andrew Cunanan)に暗殺され、その動機は謎とされていた。ダレン・クリス(Darren Criss)が演じるカナナンはマイアミビーチに至るまで、少なくともほかに4人暗殺。彼はヴェルサーチを殺した数日後に自殺を図った。

「アンドリュー・カナナンは国を横断し、殺害対象を選ぶことができた。なぜならほとんどの犠牲者は同性愛者であり、当時はホモフォビアがあったからだ」とマーフィーは9日にロサンゼルスで開催された「テレビ評論家協会(Television Critics Association、TCA)」で語った。ヴェルサーチにとって「同性愛者であることを公表するのは大きなことだった」と「アメリカ犯罪ストーリー」の共同プロデューサーであるマーフィーは言う。

 当時、同性愛を公表しているセレブリティは歌手のエルトン・ジョン(Elton John)以外にはいなかったと同シリーズの共同プロデューサー、ブラッド・シンプソン(Brad Simpson)は語った。ヴェルサーチは「彼のパートナーとインタビューに答えたことが原因で殺された」とシンプソンは言う。

■リッキー・マーティンにも影響

 2010年に同性愛者であることを公表したポップシンガーのリッキー・マーティンは今回、ヴェルサーチのパートナーであるアンドニオ・ダミコ(Antonio D'Amico)を演じ、ペネロペ・クルスはヴェルサーチの妹を演じる。「ジャンニはほとんど取りつかれたかのように仕事に取り組んでいたが、私生活では大きく異なっていた」とマーティンは語る。ヴェルサーチはバナナを食べてその皮を床に捨てたり、シャワーを浴びてタオルを床に落としたりするなどし、パートナーのダミコがつねに彼の面倒をみていたのだという。彼らのラブストーリーは「とても個人的な意味で僕に影響を与えた」とマーティンは涙ながらに語った。

 このドキュメンタリードラマは、ヴェルサーチがHIV陽性だったと主張するジャーナリストのモリーン・オース(Maureen Orth)による本を原作としている。「当時、HIV陽性であればすべてを失いかねなかった」とマーフィーは言う。

 撮影のほとんどがヴェルサーチのフロリダの邸宅で撮影されたものの、一部はギリシャローマ風の派手やかな絵画など、豪華な家の細部までを再現したロサンゼルスのフォックス・スタジオ(Fox Studio)で撮影された。

「アメリカ犯罪ストーリー」ミニシリーズの最初のシーズンでは、失墜したアメリカのフットボール選手、O.J.シンプソン(O.J. Simpson)を取り上げ、絶賛といくつかの賞を獲得した。3度目のシーズンではハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)に注目し、この2005年の天災に対する米当局の遅れた反応を取り上げる予定だ。
【翻訳編集】AFPBB News