【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の記念式典で行った演説で、北朝鮮核問題の「平和的解決」を重ねて強調した。

 北朝鮮が米領グアム周辺へのミサイル発射計画を発表し、トランプ米大統領が「軍事的解決の準備は万全」と述べるなど米朝が威嚇の応酬を繰り広げる中、朝鮮半島の軍事的緊張を和らげる狙いがあるとみられる。文大統領は14日の首席秘書官・補佐官会議でも、強いトーンで朝鮮半島問題の「平和的解決」を訴えた。

 文大統領は演説で「朝鮮半島で再び戦争があってはならない」とし、「朝鮮半島での軍事行動は韓国だけが決定でき、誰であっても韓国の同意なく軍事行動を決定することはできない」と強調。その上で、「いかなる紆余(うよ)曲折を経ても北の核問題は必ず平和的に解決すべきだ。この点で韓国と米国政府の立場は違わない」と語った。北朝鮮への対応で米国に適切な水準の自制を促し、北朝鮮核問題の平和的解決を目指し力を合わせるよう求めたものと受け止められる。

 北朝鮮に対しては、核・ミサイル挑発をやめて対話の場に出てくるよう重ねて促した。核・ミサイル問題を巡り北朝鮮と対話を始められる条件として「核凍結」を挙げ、対話には最低でも核開発とミサイル発射の中断が必要だとの姿勢を示した。

 文大統領は先月初めにドイツで行った演説でも、北朝鮮による挑発中断、核凍結、対話、核廃棄とつながる段階的・包括的な非核化構想(ベルリン構想)を提示した。

 この日の演説でも、文大統領は北朝鮮が挑発を続けるなら圧力と制裁を強めるとした一方、対話の場に出てくるなら北朝鮮の体制を保証するのはもちろん、南北間の経済交流を大幅に拡大する方針を強調した。ベルリンで発表した「朝鮮半島の新経済地図」構想を取り上げ、南北間の経済協力により軍事的な対立を緩和し、南北の共栄を実現させられると訴えた。

 また、ベルリン構想でも提示した、朝鮮戦争などで生き別れになった離散家族の再会行事と平昌冬季五輪への北朝鮮の参加をあらためて提案した。朝鮮半島の軍事的緊張が高まっている中でも、北朝鮮との交流・対話を目指す韓国政府の姿勢に変わりがないことを示したものだ。

 文大統領はさらに「南北間の軍事的な緊張が状況を悪化させないよう、軍事的な対話のドアも開けておくべきだ」と強調した。

 ベルリン構想では、7月27日の朝鮮戦争休戦協定締結64年を機に軍事境界線付近での南北間の敵対行為を中止することを提案したが、北朝鮮はこれを事実上、拒否した。にもかかわらず文大統領が「軍事的対話」に重ねて言及したのは、軍事境界線付近での偶発的な衝突が南北間の全面戦に拡大する事態を警戒しているためとみられる。