乃木坂46の18thシングル『逃げ水』が、初週88.0万枚という売り上げをたたき出し、前作を越える結果となった。前回、この記事で書いたように、初日の売り上げこそ前作を下回ったのだが、2日目、3日目と順調に売り上げを伸ばしたようだ。

【初日は前作下回るも】乃木坂18thシングル『逃げ水』が前作割れ!?

 おりしも、冠番組やネット配信で3期生をプッシュしていたものが実を結び、センターとなった大園桃子、与田祐希は、雑誌の表紙もGETして知名度を大きく伸ばしたし、このタイミングで行われている夏の全国ツアーの話題も追い風になったのだと思われる。

 さて、その『夏の全国ツアー』は、7月の東京神宮球場を皮切りに、仙台、名古屋、大阪、新潟などを回るのだが、8月11〜13日に行われた仙台公演が話題になっている。

 今回の公演では、これまでの表題曲や定番曲をアレンジし、最新曲を中心にした内容となっており、これが新鮮で楽しいというファンと、アレンジをしないでオリジナルを聞きたいというファンで評価が真っ二つに分かれているのだ。

 また、今回ダブルでアンダーセンターを務める中元日芽香は欠場、もう一人の北野日奈子は体調不良らしく、笑顔が全くなくうつむいていたという、先日の欅坂の平手友梨奈のような状態で、そのことも話題になった。

 ただ、今回取り上げたいのは、これまで乃木坂の象徴の一人であり、特にライブでは先頭を切って盛り上げていた生駒里奈が参加していないこと。さらに、仙台を最後に、生田絵梨花もライブを離脱し、芝居のほうに専念するということだ。

 これまで、乃木坂の中心として頑張って、センターを務めてきたメンバーのうち、橋本奈々未さん、深川麻衣、そして生駒、さらに生田がいない全国ツアー。

 常識的に考えれば、現在、ツアーに参加しているセンター経験者は、白石麻衣、堀未央奈、齋藤飛鳥、そして新曲のWセンター、3期の大園と与田だけになり、はた目から見れば、戦力がダウンしたようにも見えるのだが、まったくそれを感じさせないのが乃木坂の層の厚さ。

 会場の盛り上がりも、CDの売り上げも、衰退を感じさせる要因が見当たらない……というより、要因はあるのに、結果は良い方に転がっているという状況である。

 さらに、全国ツアーを休んで、舞台『モマの火星探検記』に出演している生駒里奈の演技が、非常に高い評価を得ている。彼女の放つ独特の主人公オーラに加え、舞台映えする声の通りのよさ。さらに、謙虚でありながら、貪欲に演技を学ぼうとする姿勢が、共演者、あるいは演劇ファンから、好意的に受け入れられているようだ。

 元々、乃木坂46は演劇というコンテンツを意識して運営されており、岩谷時子賞も受賞した生田絵梨花を筆頭に、若月佑美や井上小百合、伊藤純奈などが舞台女優としても注目され、さらに舞台と映画の『あさひなぐ』では、メンバーの多くが出演し、「アイドルが片手間に舞台に出ているのではないか」という偏見をぶち壊し続けている。

 本業(?)である、アイドル活動の面では世代交代が成功しつつあり、個人個人の女優・タレント業でも、しっかり“個”を評価されている乃木坂46の戦略は、ゆっくりとだが確実に成功しつつあるといっていいのではないだろうか?