いつも通りの休日を過ごす親子(画像は『Pacific Daily News 2017年8月12日付Facebook「With the world's eyes on Guam amid threats from North Korea, residents continue life as usual on the island.」』のスクリーンショット)

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「8月中旬までに中距離弾道ミサイル4発を米領グアムに向けて発射する計画を策定する」という北朝鮮の発言を受け、グアムに注目が集まっている。人口16万2000人、総面積は約200平方マイル超(約520平方キロメートル。東京23区の約84%)という小さな島。その島の住民は何を思うのか。

日本から飛行機で3時間半の距離にある平均気温29℃の常夏の島グアム。スーパーやレストランで時折耳にするのは、先住民チャモロの言葉で“ハロー”を意味する「ハファアダイ」という言葉。地元の人はフレンドリーで、日々の生活もどことなくのんびりしている。

そんなグアムの7月の観光客は13万2952人と過去20年で最高を記録。ここ数年は韓国からの旅行者が増えており、夏休みで海沿いのホテルやビーチは多くの家族連れで賑わっている。「北朝鮮の発言に関してやはり心配はしている」という声は聞かれるが、今のところ観光業に大きな影響がでている様子はないようだ。では島の住民の生活は実際のところどうなのであろうか?

『Pacific Daily News』のインタビューに対し、グアム大学に通うトニー・チャンパコさん(19歳)は「切迫しているとは思いません。話し合いで早期解決できることを祈っています」と語っている。

住民の憩いの場でもあるタムニンのイパオビーチに友達と遊びにやってきたというポーリナ・カマチョさん(19歳)は、「空虚な脅し。私はこの島が大好き。いざとなったら米軍が私たちを守ってくれるわ。だから心配はしていません」とビーチでのひとときを楽しんでいる様子だった。また同じビーチでバーベキューを楽しんでいたジェイムス・クルーズさん(47歳)は「北朝鮮が我々のバーベキューを止めることはできないよ」と笑顔で語り、普段通りの休日を謳歌していた。

13日の日曜日、人口の85%以上がカトリック教徒というグアムでは多くの人が教会に足を運び祈りを捧げていた。そこで耳にしたのは「私たちにできることは祈ること。恐れてはいません」「子供たちに恐怖心を与えてはいけない。いつも通り神に祈り、一日一日を精一杯生きるだけです」「平和と平穏がいつまでも続くことを信じています」といった力強い声だった。

それでも住民の中には、いざという時に備えてスーパーで水や缶詰めなどの非常食を買い込む者もいる。万が一空港や港が閉鎖された場合、ほとんどの物資を輸入に頼るグアムでの生活は成り立たなくなるからだ。

マリナ・ティーハンさん(64歳)は「グアムの知事や国土安全保障省らトップの人々が安全と言っているのだから、それを信じたいわ。でもトランプ大統領には少々失望しています。北朝鮮の言葉の挑発に同じ強い口調で応戦している。グアムは米軍基地があるというだけでなく、16万人が住んでいることを忘れて欲しくはないのです」と述べている。『abc.net.au』によると、グアムには現在7000人の米兵が駐留しており、島の3分の1は米軍がコントロールしているとされる。

グアム大学のロバート・アナクルタス・アンダーウッド(Robert Anacletus Underwood)学長は「グアムの住民がこれまでとは違った脅威を感じているのは確かだ。気が短い2つの国のリーダーがお互いを威嚇し、それがエスカレートしている。トランプ氏の破壊的な外交政策が背景にある」と述べている。

島では8月に入りほとんどの学校が新学期を迎えた。車社会のグアムでは学校に徒歩で通うことはまずない。11日に公表されたグアム国土安全保障省の緊急時ガイドラインには「非常事態には学校に電話しない」「指示があるまで子供は学校に待機」といった細かい指示が並ぶが、子供たちに北朝鮮に対する警戒や緊張はさほど感じられない。