最後の任務に向かうカッシーニ。(画像:NASA/JPL-Caltech)

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 1997年に打ち上げられ、以後20年に渡り土星探査機として活動してきたカッシーニは、まもなく燃料を使い果たしてその役割を終え、土星大気圏への突入を行う。それを前にした最後の任務は、「土星の大気の採取」だ。

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 なお、大気圏突入という破壊的な処分が必要であるのは、カッシーニには地球からの微生物などが付着している可能性があり、万が一にもそれを土星の衛星のタイタンやエンケラドスに持ち込ませるわけにはいかないからである。両星には、微生物が存在できる環境があると考えられているのだ。

 ちなみに、過去に行われた類似の惑星探査プロジェクトにおいても、多くの探査機が運用終了とともに探査目的の惑星に突入して自壊、という最期を遂げている。

 カッシーニは、アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)によって開発された。1997年にアメリカ・フロリダ州のケープカナベラルから打ち上げられ、2000年、土星軌道に到達。

 33万2,000枚の写真を撮影し、土星の衛星7つを発見するなど、数多くの功績を残した。衛星タイタンに「液体の流れた痕跡」があり、タイタンは太陽系の天体としては地球以外で唯一「雨が降る」という事実を明らかにしたのも、カッシーニであった。カッシーニに関連して発行された科学論文の数は3,000を超えるという。

 さて、カッシーニの最後のミッションである大気採取について述べよう。カッシーニは土星の上空を5回に渡って掠め、その大気上層のガスを採取する。これによって、土星の水素とヘリウムの構成を知ることができれば、土星全体の内部構造について知るための新しい手掛かりが提供されるという。

 カッシーニとその搭載機ホイヘンスによる土星探査、カッシーニ・ホイヘンス・ミッションには18カ国から約260人の科学者が参加した。カッシーニの土星大気圏突入は、2017年9月15日に予定されている。