アブやブヨに刺された場合の対処法&予防策

写真拡大

夏休みということで山へキャンプに出掛けた際に、はたまた地方の実家に帰省した際に、都内ではあまり刺されない、アブやブヨに刺されてしまう可能性もあるだろう。その場合の正しい対処法は? 予防策は……? 知らない方のために、銀座よしえクリニック皮膚科医師、廣瀬嘉恵先生にそれぞれの対応策を教えてもらったので紹介したい。

■まずは傷口を清潔な水で洗うこと

アブやブヨに刺されたら、その場はどう処置するといいのだろうか?

「気がついたらすぐに傷口を清潔な水で洗いましょう。消毒液を持っていると良いですが、洗うだけでも効果はあります。もし患部をギュッと押して液を出せれば、症状が軽く済みますが、肌を傷つける恐れもあるのでムリに力を入れすぎないよう注意してください。口で吸い出すのはNGです。最近では市販の『ポイズンリムーバー』という携帯用の吸引器が売っていますので、それを利用するのも良いでしょう。」(廣瀬先生)

ちなみに患部を温める、冷やすといった方法は効果があるのだろうか?

「生物の毒液に含まれる酵素は熱に弱いものがあります。そのため、40度〜60度ほどに温めることで成分が壊れ、その後の症状が軽くなる、という説があります。ただ残念ながらこれはまだはっきりと実証された研究があるわけではありません。また、かゆみを起こすヒスタミンは熱に強いため、効果があったとしても限定的なものでしょう。腫れがある場合は肌が炎症を起こしている状態ですから、表面を冷やすことによって症状を抑えることが期待できます。しかしこちらも起きている症状を緩和する程度のもので、治すことができるわけではありません。」(廣瀬先生)

つまるところ、アブやブヨに刺された場合、患部を温める、冷やすといった方法では、効果がないということだろうか?

「温めたり冷やしたりすることは、あくまでも肌の感覚を変化させてかゆみに一時的に対処する処置です。残念ながら虫に噛まれてしまったあとにできることはとても少ないのです。症状が軽度の場合は市販のかゆみ止めを塗っておき、もし長引くようであれば皮膚科を受診して抗ヒスタミン薬やステロイド薬を処方して患部をさわらずに回復を待ちましょう。」(廣瀬先生)

■防虫スプレー、長袖長ズボンで刺されない工夫を

噛まれた後ではもう遅いということだ。それでは、アブやブヨに刺されないための予防策についてはどうだろう。

「蚊取り線香のような煙型のものや、防虫スプレーは『忌避剤』と呼ばれ、特にアブやブヨのような吸血型の虫が嫌う傾向にあります。ただ、密閉性の低い場所や野外活動では効果も限定されてしまいます。ほかにも有効な忌避剤として、肌に直接塗ったりシールを貼ったりするものもありますね」(廣瀬先生)

廣瀬先生によると、「ディート」と呼ばれる成分が、アブやブヨはもちろん、蚊やナメクジ、ヒルといった、吸血型の動物全般に効果が認められているという。厚生労働省で過去40年間、副作用の報告はなく、安全かつ持続効果が高いとのこと。商品購入時は使用する際の注意点を含め、チェックできるといいかもしれない。

ところで、汗をかいていると虫が寄ってきやすいと聞いたことがあるのだが、タオルでこまめに汗を拭いたりすることも予防策になるのだろうか?

「吸血型の虫は、『二酸化炭素、汗などの揮発(きはつ)成分、体温など』によって、ターゲットを定めていると言われています。また、スポーツの直後や飲酒した方、体温の高い方は引き寄せやすいという研究もあります。このほかに香水の有無や服の色、血液型によっても刺されやすいものがある?など、さまざまなことが言われていますが、はっきりしたメカニズムがわかっているわけではありません。よりシンプルかつ効果的な対策は、薄手の長袖や長ズボンなど、できるだけ肌の露出量を減らすことです。屋外活動の際は日焼け防止にもなりますので、ぜひ試してみてください」(廣瀬先生)

なるほど。最後になるが、廣瀬先生が「アブやブヨは、直ちに人体に重大な被害をもたらすような強い毒を持つ虫ではありません。あまり神経質になって旅行やスポーツの楽しみを損ねないよう、適度な予防とケアを心掛けましょう」と、アドバイスを寄せてくれた。

専門家の見解は以上だが、「教えて!goo」では「効果的な、ブヨ対策教えてください」という質問に寄せられた皆さんの回答も紹介中だ。

【取材協力】
・銀座よしえクリニック

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)