「ムスレム世界連盟」(本部メッカ)のアブドゥル−カリーム・アルイッサ会長が日本記者クラブで会見。ISについて「イスラム教徒が世界に18億人いる中で、ISは極めて少なく、テロをイスラム教と結びつけるのは、ISの思う壺」と訴えた。写真は会見する同会長

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2017年8月10日、イスラム教の布教と戒律の決議・採択を行っている「ムスレム世界連盟」(本部サウジアラビア・メッカ)のムハンマド・アブドゥル−カリーム・アルイッサ会長が日本記者クラブで会見した。サウジアラビア、バーレーン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)など4カ国のカタールへの断交を含む制裁について、カタールがテロ組織を支援した疑いがあると指摘、「家族の一員が悪事を働いたのでお灸をすえただけだ」と述べた。また過激派組織イスラム国(IS)について、イスラム教徒が世界に18億人いる中で、ISは極めて少なく、我々とは全く異なり、ISのイデオロギーはイスラム思想ではない」と説明した。

さらに、「我々の使命は穏健・中立を貫き、真実を伝えてテロ組織に対抗することだ」と指摘した上で、「テロをイスラム教と結びつけるのは、ISの“思う壺”となる。多くのイスラム教徒がISテロの犠牲になっているのが実態だ」と訴えた。「日本でも1990年代にオウム真理教が出現したが、世界どこでもこのような過激集団は発生するものだ」とも語った。

またイランとサウジアラビアの対立について、「サウジは地域の平和を維持してきたが、イランは宗派間の紛争と対立を広めようとしている」と批判した。

今回の来日中、多くの宗教団体首脳と意見交換したとし、「日本人は愛国心が強く、寛容だ。有意義だった」と語った。

同氏は8月上旬に京都で開催された世界宗教サミットに出席。ムスリム世界連盟として初参加となった。8月6日の広島平和式典にも出席した。同氏はサウジアラビアで司法大臣、最高裁判所評議会議長などを務めたほか、アラブ社会でアラブ司法大臣評議会名誉議長、ムスレム学者組織委員長などの要職を歴任している。(八牧浩行)