遠藤保仁対中村俊輔の「FK名手対決」も注目を集めたG大阪と磐田の一戦は、中村俊に軍配が上がった。写真:川本学

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 [J1 22節] ガンバ大阪 0-2 ジュビロ磐田 /8月13日/吹田

 G大阪対磐田の一戦で注目を集めたのが、遠藤保仁と中村俊輔――ふたりの競演だった。FKの名手でもある両者のパフォーマンスの差が、結果に直結した試合内容と言えた。
 
 G大阪は90分を通じて主導権を握り続けていただけに、一度ゴールネットを揺らせば、たちまち形勢逆転できる気配が漂っていた。しかし、肝心の勝負どころでのプレー精度を欠いた。

 象徴的だったのが、試合終盤の86分に掴んだ敵陣でFKのチャンスだ。長沢駿、ファン・ウィジョ、アデミウソン……ゴール前に集結した大型の選手たちが、そのワンチャンスに懸けていた。
 
 スタジアムのボルテージも高まったが……しかし。遠藤の放ったキックは枠から大きく外れ、ゴールラインを割ってしまったのだ。

 中村俊のFKから2ゴールを奪った磐田とは、まさに対照的だった。試合後、遠藤は次のように悔やんだ。
 
「セットプレー(が相手の武器だと)は分かっていただけに、防がなければいけなかった。(2失点したが、それ以外、ほとんどピンチはなかったが?)セットプレーを含めてサッカー。言い訳はできない」
 
 首位の鹿島から勝点10差の7位に後退した。それでも「手の届くところにいる。切り替えなければいけない」と気を引き締めていた。
 
 一方、中村俊は「セットプレーはだいぶ強みになってきた」と自信を深めた。さらに、今季加入後から続いた試行錯誤についても明かしていた。
 
「シーズン前のキャンプではお互いに特長が分からず、彼らも僕のことを探っていた。だから、『自分の好きなところにどんどん走っていってくれ』と伝えた。そのほうが迫力が出るから。そこに僕が合わせてきたけど、それがだんだんとハマってきている」
 
 その受け手と出し手の関係性を示した2ゴール。磐田の背番号10は、何よりも名波監督のサポートの大きさに感謝する。
 
「名波さん中心に、コミュニケーションをたえず取ってきたことが大きい。そのなかで、全員の共通のイメージが少しずつ合っていっている」
 
 今季、磐田がG大阪にリーグ2勝を収めた。6月4日のホームの一戦でもセットプレーからゴールをもたらしていた(スコアは3-0)中村俊の貢献度は群を抜いて高かった。

 もちろん、遠藤もこのまま黙っているはずがない。怪我人の相次ぐ状況下、長谷川健太監督は今回の3-5-2をベースに戦う方針を示す。スコア上は負けたとはいえ、G大阪のチームの持つポテンシャルの高さを示せたのは事実。Jを代表する"右の名手"のコンダクトで、この日躍動した市丸瑞希ら中盤の豊富な選手層を生かしながら、上昇へ軌道修正したい。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)