写真:AFLO

「50代の方が高血圧と診断され、血圧を下げる薬をいろいろ処方されたのですが、なかなか下がらない。おかしいなと思って尋ねたら、健康のためにと『カンゾウ(甘草)』を煮出して、お茶代わりに飲まれていました。カンゾウには血圧を上げる作用があって、それで降圧剤が効かなかったんですよ」

「医薬情報研究所(エス・アイ・シ―):公園前薬局」の薬剤師・堀美智子さんが解説する。

 カンゾウはテレビの健康番組でメタボ改善にいいと紹介されたこともある、マメ科の植物だ。

「体にいいと思って口にする健康食品ですが、飲み合わせによって、薬が効かなかったり、効きすぎたり、また思わぬ副作用が出ることもあります」(堀さん・以下同)

 よく見かける健康食品のなかから、堀さんに注意したい薬との飲み合わせを紹介してもらった。

「健康食品には、飲み合わせの注意書きはほとんど記載がありません。薬を処方してもらうときに、常用している健康食品を医師や薬剤師にも伝え、ひとつひとつ確認するのがもっとも安心な方法。自己流で判断するのがいちばん危険です」

 以下、堀さんが指摘するNG飲み合わせ例だ。

(1)ウコン、シジミエキス
+貧血用薬(佐藤製薬「エミネトン」、日本臓器製薬「マスチゲン」など)

「ウコンやシジミのサプリのなかには鉄分を多く含むものがあります。貧血薬やマルチビタミン剤で、鉄をプラスしたものなどと同時に飲むのは要注意。鉄の過剰摂取になり、とくに肝機能障害のある人は症状を悪化させる可能性があります」

(2)イチョウ葉サプリ
+解熱鎮痛薬(佐藤製薬「バイエルアスピリン」、ライオン「バファリンA」など)
+アスピリンを含むもの

 血流をよくするフラボノイドなどが含まれ、脳の老化を防ぐとして人気だが「じつは、血小板の働きを抑える成分も含まれるので、血が止まりにくくなります」。そのため、血栓を防止する薬などと飲み合わせると、効果が強まり、出血しやすくなるという。EPAも血液を固まりにくくする作用があるので、同様の注意が必要。

(3)カルシウムサプリ
+ビタミンAD剤(エーザイ「 チョコラAD」など)
+滋養強壮保健薬 (全薬工業「ドックマン」、シオノギヘルスケア「ポポンSプラス」など)

 カルシウムが不足すると、骨粗鬆症の原因になるといわれる。「反対に、カルシウムを一度に大量に摂りすぎると副作用もあります。ビタミンDはカルシウムの吸収をよくするので、血中のカルシウム濃度が上がりすぎ、高カルシウム血症となる恐れが。皮膚のかゆみ、吐き気、便秘、不整脈などを引き起こすことがあります」

(4)カフェイン入り眠気防止飲料
+鎮咳去痰薬(武田コンシューマーヘルスケア「アネトンせき止め顆粒」、佐藤製薬「ミルコデ錠A」など)

「カフェインは薬でいうと、キサンチン系成分と呼ばれるものに入ります。同じ作用を持つ成分の薬と併用すると、不眠やイライラ、頭痛、吐き気などを催すことがあります」

 カフェインは過剰摂取による死亡例も問題となっている。エナジードリンクのなかには、市販の眠気防止薬よりカフェインを多く含むものもあり、注意が必要。

(5)にがり
+便秘薬(ロート製薬「スラーリア」など)
+胃腸薬(太田胃散「太田胃散」、興和「新キャベジンコーワS」など)

 便通をよくするなどとして話題になった、にがり。

「主成分は塩化マグネシウム。同じくマグネシウムを含む便秘薬や胃腸薬と併用すると、マグネシウムの過剰摂取を招き、下痢を起こしやすくなります」

 また腎臓が悪い人の場合、マグネシウムが排泄されず高マグネシウム血症を引き起こすことも。

(6)クエン酸サプリ
+胃腸薬(太田胃散「太田胃散」など)
+解熱鎮痛薬(ライオン「バファリンプレミアム」など)

 クエン酸は疲労回復に効果があるといわれる。

「同時に、アルミニウムを吸収しやすくする働きも。このためアルミニウムを含む胃腸薬や解熱鎮痛薬と長い間、一緒に飲んでいると、腎機能が悪い人の場合、認知症に似た症状(アルミニウム脳症)や骨の痛み(アルミニウム骨症)を引き起こす可能性が」