お金がなく、就職面接に着て行く服を万引きするしかなかった若者が、警官に逮捕されず、逆に援助を受けて面接に合格するという心温まる出来事がカナダであった。

シャツ、ネクタイ、靴下を万引きした10代

今月6日の夜、カナダ・トロント警察は、トロント市内のウィルソンアベニューにある大手スーパー「ウォルマート」から通報を受け、2人の警官を現場に向かわせた。

警官が現場に到着すると、万引き犯がスーパーの警備員に取り押さえられていたという。犯人は18才の男性で、万引きしたものはワイシャツ、ネクタイ、靴下。

就職面接に着て行くため

警官の1人、Niran Jeyansen巡査が事情を聞くと、その若者は就職面接に着て行く服が買えずに万引きしたと分かった。

理由はどうあれ万引きは犯罪、普通なら逮捕となるところだが、Neyansen巡査は相棒の警官と話し合い、品物の代金を個人的に肩代わりした。

「今度の就職面接に着て行くものがなかったんだ、と彼は言ったんだよ」Neyansen巡査は翌日の7日にニュースメディアの取材を受けてこう言っている。

4日後、面接に合格

それから4日後、その若者は面接に合格し、職に就くことができた。

「彼は来週から仕事を始めるそうだ」とNeyansen巡査。「あのワイシャツとネクタイで面接に行ったそうだ。それを聞くと私も嬉しいね!」

万引き犯を逮捕しなかった理由について、巡査はこう語っている。

「彼の話を聞いて、この若者は人生の困難に正面から立ち向かっていると思ったんだ」

「彼の父親は病気で収入がなくなり、家族は途方に暮れていた。それで彼は、何とかして職に就こうとしていたんだ。シャツを万引きしたのは間違ったことだが、彼の頭にあったのは、仕事に就きたいという思いだったんだよ」

「正しいことをしたと思う」

万引き犯を逮捕しなかったJeyansen巡査の判断については、トロント警察の捜査班の中でディスカッションがあったそうだ。

「捜査班の中で話し合いがあってね」とJeyansen巡査は言う。「逮捕しなかったことに全員が賛成だった。上司の巡査部長も賛成だった。万引きしたあの若者に対して警察は正しいことをした、と全員が感じていたはずだよ」

トロント警察はJeyansen巡査の談話を公式にリリースしている(下の動画)。