航空ファン提供

写真拡大 (全2枚)

(花蓮 14日 中央社)東部・花蓮の名産である餅を空軍の操縦士が戦闘機に持ち込んだ行為が議論を巻き起こしている。批判の声が噴出したのに対し、一部の市民や花蓮の餅業者は操縦士を支持する姿勢を表明。「空軍支持、餅を応援」のスローガンの下、様々な行動が繰り広げられている。

騒ぎは6月上旬、空軍の操縦士がF16戦闘機の窓に餅入りの箱を置いた状態で任務を執行している姿を航空ファンに撮影されたのが発端。その画像がインターネット上に出回り、今月上旬に一部メディアで取り上げられたところ、賛否両論の声が上がり、波紋が拡大した。同機は当時、空軍軍官(士官)学校(高雄市)での実演のため、花蓮の基地から南部・高雄に向かう途中だった。

8月14日は中華民国空軍が第二次上海事変で日本軍に初勝利したのを記念し、「空軍節」に制定されている。これに合わせ、花蓮の餅業者、曽記麻ショは一部商品を定価の81.4%(18.6%引き)の価格で販売。同社は騒動後に商品12箱を士官学校に贈った。(ショ=米へんに署)

F16戦闘機が高雄から花蓮に戻る13日には、支持派の市民が花蓮基地そばのビーチ、七星潭で「餅は無罪 黒龍軍(写真を撮影された空軍第27作戦隊)がんばれ」と書かれたポスターを広げ、空軍に声援を送った。

また、戦闘機に載せられたものと同じ商品を購入し、乗用車や列車の窓ガラスに置いて撮影をする人も多くいるという。

餅業者や航空ファンによると、写真を撮られた戦闘機の操縦士は母校の恩師に感謝を示そうと手土産として餅を用意し、餅の箱を外から見える位置に置いていたのは、花蓮から来たことを伝えるためだったという。

空軍は、水や食べ物などの戦闘機内への持ち込みは禁止されていないとしながらも、批判噴出を受け、規律を強化する方針を示している。

(盧太城/編集:名切千絵)