「マイコンに詳しい僕に、編集部からゲーム漫画の依頼があったんです。作品制作のため、1万円札をすべて小銭に換え、『ブロック崩し』を歌舞伎町のゲームセンターで一日中やり込み、アイデアを練りました」

 ゲーム少年たちのバイブルとなった作品はこうして生まれた。当時はゲーム画面の作画で苦労したという。

「今のようにゲーム画面を簡単には撮影できないので、ゲーセンにスケッチブックを持ち込んで、画面やキャラクターを模写していました」

 その後の「スペースインベーダー」ブームも重なり、作品は予想以上の大ヒットとなった。

「初版2万5000部が発売日の午前中に売り切れて、午後には4万部の増刷が決まったんです。部数は全巻累計で500万部以上だったと思います。ピーク時は、1億円以上の年収がありましたが、忙しすぎてお金を使う暇はまったくなく、買ったのはズボン2本くらいのものでした」

 すがやみつる氏(66)はその後、実用書などでも100万部を超える作品を執筆。60歳を過ぎてから早稲田大学大学院を修了。現在は京都精華大学マンガ学部の教授だ。

「先生になるなんて、まったく予想できない人生ですよ」

『ゲームセンターあらし』
(月刊コロコロコミック1979年〜1983年連載)

すがやみつる
 1950年静岡県生まれ 石ノ森章太郎に師事。1972年『仮面ライダー』でデビューし、少年誌を中心に活動。現在は、京都精華大学マンガ学部で教授を務める
(週刊FLASH 2017年7月25日号)