(写真=NAVER映画)映画『軍艦島』

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去る7月26日に韓国で公開された映画『軍艦島』の動員観客数が640万人を超えた。

公開前から取り扱うテーマと豪華キャストで話題を集めた『軍艦島』は、公開から8日間で観客動員数500万人を達成。前評判通り、1000万人突破は確実視されていた。
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しかし現在、急失速を見せている。ほぼ同時期に公開された『タクシー運転手』が動員800万人を超えているだけに、公開当時は予想できなかった事態だ。

韓国メディアもその失速ぶりを「『軍艦島』一日の観客数は5万人以下に急減」「『軍艦島』1000万人映画の偉業達成は失敗するか」「映画『軍艦島』は損益分岐点の峠に」と報じている。

『軍艦島』のウソと真実

原因はどこにあるのか。もしかしたら、歴史的事実があまりに希薄だったからかもしれない。

韓国メディア『オーマイニュース』は「リュ・スンワン監督は恐らく…『軍艦島』の内容を探ってみると」という記事で、同映画のフィクションを暴いている。

例えば、映画の前半、多くの朝鮮人が船に乗って日本にやってくるシーンについて。

「カンオクと一緒に(日本に)来た娘・ソフィは、船から降ろされるやいなや遊郭に連れていかれたが、徴用者の家族を慰安所に送るケースはなかったと考えるのが妥当だ」

また、劇中の「挺身隊に行ったんだけど慰安婦になった」というセリフも、まったくのでたらめだと指摘する。

「動員された女性たちが慰安所に連行されていくなかで登場する“挺身隊に行ったんだけど慰安婦になった”というセリフは、長らく大衆のなかにある誤解で、歴史的事実とは違う。

(中略)挺身隊と慰安婦は動員経路が違うし、行う仕事も違うというのが学会一般の共通した見解だ」

そのほか、「OSS(アメリカ軍の特務機関)と連合した光復軍(朝鮮独立軍)が端島に侵入」するというシーンについては、「見当違いも甚だしい」と切り捨てている。

『軍艦島』の真実は風景と…

一方で、歴史的事実もあるという。

「人工島のなかに絶えず打ち寄せる大きな波、湿気の多い畳の部屋、人工都市のなかの日本人区域と朝鮮人区域が実感できる風景などは、監督と映画関係者らが実際の証言と残っている白黒フィルムなどを綿密に参考にして、この島の実際の姿を映画のなかに忠実に描写したことをよく表わしている」

また、映画では韓国人が慰安婦の動員を手助けしたシーンが描かれるが、それも歴史的事実だと主張する。

「韓国人が慰安婦動員に協力したことを恨んでいる姿も実際の事実に合致する。日本人の業者は韓国語がわからないため、実際の動員過程で韓国人の介入があったというのは公然の事実であり、韓国人業者もかなりいたことが最近発掘された“日本軍慰安所の管理人の日記”を通じて明らかになっている」と伝えた。

同記事は「人々は歴史を歪曲したという言葉をよく使うが、実際の歴史がなんだったのかまともに知る人は少ない」と締めくくられている。

厳しい論調の記事だが、コメント欄には意外なほど「素晴らしい記事です」「じっくりと読みました」といった肯定的な意見が多い。

歴史的事実を知りたいという願望に、日韓の差異はないのだろう。

良くも悪くも、映画『軍艦島』が与えた影響は非常に大きいといえる。

(文=S-KOREA編集部)