漫画原作者の小池一夫さん(81)が8月12日、若者の食生活事情に関する投稿をツイートして批判が殺到。その後、謝罪する事態になった。

小池さんは、鱧のおすましの写真とともに以下の内容を投稿した。

「食費にお金を若者はかけられないというが、それは、言い訳。今日のお昼ご飯、鱧のおすましだったけど、家人に聞いたら、実質何百円だって。骨切りした鱧も旬だから安いし、他の材料も残りものだしって。やれば出来る。やらないだけ」

「15〜20万円の給料で毎日10時間労働した後に節約料理を続けられるか」

自分で工夫をすれば、お金をかけなくても美味しいものが食べられるはず、という内容だが、ツイートを見た人からは、多くの若者はおすましだけに何百円はかけられない、という反論が相次いだ。これに対して小池さんは、

「この、鱧のお澄ましの残りの部分は、明日には鱧寿司になり、明後日は、ひつまぶし風の混ぜご飯になります。捨てるところなしで、ウチの食費は安いのですよ」

と返信をした。

しかし今度は「実質たった何百円て言い方の時点でもう感覚おかしいですよ」と小池さんの感覚が若者と違いすぎる、という意見が多く寄せられた。たしかに、汁物だけで数百円は決して安くはない。

また、小池さんは「食費」のみを論点にあげているが「若者」が自炊しない理由はそれだけではない。

「15〜20万円の給料で家賃水光費携帯代税金国保年金を払った上で毎日10時間労働した後に洗濯などを行った上で節約料理が続けられるか。私は買い物に行くのすら無理です」

内閣府規制改革会議の資料によると、平日1時間あたりの労働時間は1976年が7.76時間に対して、2011年には8.67時間と1時間近く増加。

さらに労働政策研究・研修機構の調査によると専業主婦世帯は1980年には1114万世帯だったが、2016年には664万世帯まで減少している。それに伴い共働き世帯は614万世帯から1129万世帯になり、逆転している。若い世代で専業主婦は少数派だ。

金銭的にも時間的にも余裕がないのであれば、腹の膨れない汁物よりチェーン店の牛丼やスーパーで半額の惣菜に数百円払いたい、と考える人もいるだろう。小池さんが若かったころと今とでは、大分状況が変わっている。

「若者のことを頭では分かっていたけど、肌の感覚で分かっていなかった」

また「お金」と「時間」さえあれば料理は出来上がるわけではない。料理に関する知識と経験が不可欠だ。そのため、「その実質を当たり前にする財力と余暇が今の若者にはないんです」と指摘する人もいた。

これらの反応から小池さんは同日、ツイッターで「昨日のツイート、反省してます」と謝罪をした。

「若者と接することは多くても、若者と暮らしていないので、今の若者の現状が頭では分かっていても、肌の感覚では分かっていなかったんだなあとリプを読んで思いました。(略)年長者として、もっと、広く深い目でツイートすべきでした」
「リプを下さった方、ありがとうございます。まだ、年寄りの僕でも、このツイッターというツールで成長出来ることがありがたいです」

これにツイッターでは、最近は指摘されても謝らず逆上する年配者が多いことを挙げ「指摘されて素直に謝れる姿勢は素晴らしいと思います」という声が上がっていた。