8月も、もう半分が過ぎようとしていますね。

お子さんの夏休みの宿題は順調ですか? 「読書感想文」はもう書けたでしょうか?

面倒でつい後回しにしがちな読書感想文ですが、書き終えると結構達成感が残るもの。

でも文章を書くのは子どもも自分も苦手で……という親御さんも多いかと思います。

小学校低学年から誰でも簡単にできる、“付せん”を活用した感想文の書き方をご紹介します。

■ステップ1:まずは具体的な質問を投げかけて、子どもの感想を上手に聞き出す

まずは、本を選びます。

その年の課題図書が無難かもしれませんが、お子さんのお気に入りの本、よく読んでいる本、興味のありそうな本など、なんでもいいと思います。

高学年でも本を読むのが苦手なお子さんは、挿絵が多い本の方がイメージが湧きやすくていいかもしれません。

本を読み終わったら、親御さんが内容についての感想をお子さんに聞いてみてあげてください。

そのとき、全体の感想を聞くのではなく、場面ごとにどう思ったかを聞き出すのがポイント

例えば新美南吉の『ごんぎつね』が題材だったら、

「ごんは、なぜいたずらばっかりしていたんだと思う?」「ごんが兵十にいたずらしたときどう思った?」といった具合です。

このとき「かわいそう」「悪いと思った」など、漠然としたひと言の感想を言って終わり、というお子さんも多いと思います。

そういう場合は、親御さんがもう少し突っ込んで、

「どんな風にかわいそうなの?」「もしも自分が同じことをされたらどう思う?」「自分がごんだったらどうしてた?」

など、よりイメージが湧きやすく答えやすい質問をしてあげると具体的な感想が膨らんでいきます。

■ステップ2:感想を「付せん」にどんどん書き込もう!

pu- / PIXTA

たくさん感想が出てきたら、それを大きめの「付せん」にそのままの言葉でどんどん書き込んでいます。

そのとき、親御さんがした質問も別の付せんに書いておいてください。

例えば「ごんが兵十にいたずらしたときどう思った?」という付せんを用意し、

別の付せんに「兵十が困るようなことをして悪いと思った。もし自分がやられたら怒ると思う」など、お子さんが言った感想を書くのです。

このような付せんをどんどんつくっていきます。

親御さんが質問した内容や場面を書いた付せんも忘れずに。

お話の山場や最後の部分では、少し念入りに感想を聞いておきましょう。

遊び感覚で聞いては答え、を繰り返していけば、お子さんもどんどんおしゃべりしてくれるようになります。

人は「感想文を書くんだ」と思うと、頭の中で文章(書き言葉)で考えようとしてしまうもの。

そうすると、なかなか「いい文章が出て来ない」と、行き詰ってしまいます。

大人でもそうなのですから、子どもならなおさらです。

ところが会話形式だと、驚くほどたくさん感想が出てくるものなのです。

■ステップ3:付せんを並べて取捨選択し、文章に近づける

付せんがたくさん用意できたら、いるものといらないものを分けて、それを文章に近づけていく作業です。

例えば、よくよく聞いても「こわかった」などの感想しか出てこなかった付せんや、全体の構成にあまり関係のなさそうな付せんです。

反対にぜひ入れてほしいのは、感想を聞いて親御さんが「え?」と思ったものや「へぇ、そんな風に感じるんだ」と感心したような内容です。

子どもは大人が思いもよらないような考えや感性を持っているものです。

その感性こそ、読書感想文の醍醐味。それを活かすことできっと楽しい読書感想文になります。

付せんを残すときに、感想と質問、場面を一つのセットとして考え、一緒に残すようにしてください。

■ステップ4:並び順を考えて、接続詞をつける

しげぱぱ / PIXTA

必要な付せんだけを残したら、あとはそれをつなげるだけです。

「ごんがいつもいたずらをするのはなぜ?」という質問と「ごんはいつもひとりぼっちでさみしいから、誰かと遊びたくていたずらをしたと思う」という感想があったとします。

「なぜ?」の部分を消せば「ごんがいたずらをするのは、いつもひとりぼっちでさみしいから、だれかと遊びたくていたずらをしたと思う」となり、すっかりひとつの文章ですね。

大人としては、上記のような文章には少し手を入れたいところですが、ここはあえて我慢。

「質問を消す」「接続詞をつける」くらいの加工で文章ができるのなら、子どもが感じた感想のままつなげてみましょう。

というのも、あまりに整いすぎた文章だと、いかにも大人が手を入れました、という文章になってしまい、かえって新鮮味がなくなるのです。

お子さんにとっても自分の文章とは思えないものに仕上がってしまいます。

接続詞をつけるのは、小さなお子さんには少し難しいかもしれません。

そういう場合は「だから」「だけど(でも)」「そして」など意味の違う接続詞の付せんを用意して、「どれでつなげばいい?」と聞いてあげてもいいかもしれません。

子どもは案外、感覚でわかっているものですし、接続詞の学習にもなります。

指導の甲斐あって(?)、長女が入選したときの作品集です

ここまでできたら、あとはその文章を原稿用紙に書き写して、できあがり。

お子さんにしてみればお話をしているうちに、遊んでいるうちにできちゃった、と思われるくらい簡単です。

日本語力を鍛えるのにも役立つはずです。

いかがでしたか。

いやらしい話ですが、「賞をとる」テクニックみたいなものは確かにあって、そのセオリーに沿って書けば確かに賞状をもらえるかもしれません。

今回ご紹介した方法は、賞をとるためのものではなく、お子さんに「読書感想文って、簡単だ、楽しい!」と感じてもらうための方法です。

今でも「読書感想文って苦手だったな」と思っている大人は多いと思いますが、

そんな苦手意識をお子さんからなくすことができるだけでも、活用する価値はあると思いませんか?