ひとり相撲、乞食芝居、謎解き芸人…活気があったお江戸の町は芸人さんで大賑わい

写真拡大

活気があり賑やかだった江戸は、街角の芸人も多かったのが特徴です。相撲人気にあやかって、「ひとり相撲」という芸をする芸人もいました。どんな芸かというと…

まず、帯を締めない着物姿で裸足の、中年の太った男が手ぬぐいと扇子をもって、登場。そしておもむろに扇子を開いて差し出して、行司の真似を声高らかにして、芸の始まり始まり!この声を聞いて、近くにいた人が集まってきます。男が行司の役をすることで、見物人たちはひいき力士の名前を呼んで投げ銭して、賑やかに。

次に、力士の物まねをします。鼻をかむ仕草や土俵にあがる前に水を飲む仕草など、細かい力士の癖まで真似して、その巧みなこと!こうして、どんどん見物客を惹きつけるのです。行司の物真似、力士の物真似から取り組みまで、一人ですべてこなしているとは思えないほどの迫力満点。そして、お気に入りの力士の名前を呼びながら、また投げ銭する見物客たち。こういった芸が成り立つ江戸時代って、なんだか素敵ですね。

乞食芝居や謎解き…ユニークな芸人たち

相撲と同じく人気だったのが、芝居です。そして、やはりこれにあやかった乞食芝居をする芸人も登場。春・夏・秋に月1,2回、武家屋敷町、寺町以外の庶民の住居地域にまわり、一人で演じます。日焼けしている顔におしろいを塗って、歩きながらの身振りですが、上手い人は音声も滑らかでなかなかの名演技。道行く人も思わず足を止めてしまうほど。

謎解きをする芸人もいたそうで、特に、春雪という男が有名だったとか。浅草の奥山で、謎や頓智という看板を出し、見物人が出す題を即座に解きます。米俵や菓子などを、万が一解けないときに出題者に与えるために飾っておいたものの、これらの品を入手した客はいなかったそうなので、つまり全問解けたということ!そして、春雪が解いた謎を読み売り屋が印刷すると、印刷が間に合わないほどの人気だったそう。

このほかにも、猿廻しや居合い抜き、曲独楽など様々な街角芸人がいました。観客と芸者の、人と人のふれあいが魅力的な江戸時代。仕事そして笑いが至るところにあり、その日暮らしの生活でも、人々の満足度はきっと高かったのではないでしょうか。

参考文献:江戸商売往来 興津要