途上国の開発・貧困撲滅・格差是正・人道支援などを推進している国連開発計画のシュタイナー総裁が東京で会見。貧困や格差などの解消を目指し国連が設けている持続可能な開発目標を達成するために、日本が官民を挙げて協力するよう求めた。写真は会見する同総裁。

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2017年8月10日、途上国の開発・貧困撲滅・貧困撲滅・人道支援などを推進している国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁が貧困や日本記者クラブで会見した。貧困や格差などの解消を目指し国連が設けている持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために各国の政策立案の支援を重点課題として挙げ、日本の協力に期待した。

SDGsは世界のリーダーが2015年9月の国連サミットで採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれた目標。今後30年までに達成すべき目標を定めたもので、前回の教育・保健衛生を中心とした「ミレ二アム開発目標」(MDGs)を受け継いだ。「人々と地球のために、私たちの世界を転換させよう」という理想を掲げ取り組んでいる大プロジェクトである。(1)あらゆる形態の貧困に終止符を打つこと、(2)ジェンダー(男女)の平等を達成し、すべての女性と女児への自立促進支援、(3)気候変動とその影響に立ち向かうための緊急対策、(4)格差の是正、(5)質の高い教育、(6)経済成長、(7)技術革新、(8)人の健康―など17項目の持続可能な開発目標(SDGs)と169項目ターゲットなどで構成されている。

世界各地で国境を越えた紛争が頻発、紛争は長期化しており終結しない。この結果、世界で多くの難民が発生。大規模な自然災害を含め、国連は新たな危機対応を迫られている。こうした中、国連が人道・開発問題に対応する能力を持つ必要があるが、従来の体制では危機対応が追い付かない。「紛争や災害にはUNDPと各種国連機関などが連携し、危機の初期段階から復興まで一貫した支援を行うことが必要だ」と強調した。

UNDPは日本でSDGs達成のためのビジネスを包括的に支援する仕組みを構築し、50社を超える企業に提供している。シュタイナー総裁は、環境保護や人間の健康といった目標を達成するため人工知能(AI)やデジタル技術などの活用も必要となると指摘。UNDPが開発・人道問題に対応する能力を保持することが必要と強調した上で、UNDPの活動領域と日本の政府開発援助(ODA)が優先する対象は一致しており、日本が人道・開発支援などでUNDPと連携することは日本の国益と合致すると言明、日本の一層の協力を期待した。「各国のあらゆる社会のレベルで関連活動が拡大している。日本では企業が積極的に関与している」と評価。地球環境の持続可能性の観点から日本企業がさらに投資するよう、協力を求めた。

世界各地で国境を越えた紛争が頻発、紛争は長期化しており終結しない。この結果、世界で多くの難民が発生している。同総裁は大規模な自然災害を含め、国連は新たな危機対応を迫られていると強調。紛争や災害にはUNDPと各種国連機関などが連携し、危機の初期段階から復興まで一貫した支援を行うことが必要との見解を示した。(八牧浩行)