勝つチャンスはあった。しかしフィニッシュ精度を欠いて、残留争いのライバルに痛い敗戦を喫した。写真:田中研治

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[J1リーグ22節]大宮 1-0 新潟/8月13日(日)/NACK
 
 新潟がJ1残留を争う16位の大宮に0-1で敗戦。12節の札幌戦以来、勝ち星から遠ざかるチームにとって“痛恨の一敗”であり、J1残留に赤信号の灯る寸前に追い込まれるゲームとなった。
 
 決して悪くない立ち上がりだった。4分にはチアゴ・ガリャルドのロングスローから相手ゴール前で混戦となり、最後はドウグラス・タンキがシュート。大宮GK加藤順大のタイミングの良い飛び出しによって防がれてしまうが、いきなり決定機を作った。
 
 ただ、徐々に相手のパスワークによって押し込まれる時間帯が長くなる。34分には左サイドを崩され、38分にもマテウスにカットインからスルーパスを通されてピンチを迎えた。
 
 さらに42分にも、次々にスペースへと入り込む大宮の選手を捕まえ切れず。磯村亮太がシュートに身体を投げ出して危機を回避したものの、ダイアゴナルランに対する脆弱性を晒してしまった。
 
 後半になると守備時のオーガナイズが再整備され、マイボールにしたあとに繰り出されるカウンターに切れ味が戻ってくる。そして、セットプレーでは前半に続いてチャンスを生み出していた。
 
 61分、CKでファーサイドに走り込んだ矢野貴章がドンピシャでヘディング。待望の先制ゴールかと思われたが、ライン上に立っていた江坂任によってブロックされてしまった。すると73分、ゴールネットを揺らされてしまう。
 
 FKのセカンドボールをアバウトにゴール前へと送られると、富澤清太郎が競り負け、それが先ほど苦汁を飲まされた江坂のもとへ。ワントラップした“天敵”の左足がボールにミートすると、それが先制点となってしまった。
 
 ビハインドとなった新潟は攻勢を強めた。さらに相手が守備に重心を傾けたことで、幾度となくファイナルサードへと侵入。78分に伊藤優汰と河田篤秀を同時投入するなど、同点を狙った。
 
 ただ、1点は最後まで遠かった。集中力を切らさなかった相手守備陣に撥ね返され、逆にほぼ全員が押し上げた裏のスペースを使われて「あわや」の場面も。トドメの一撃を食らいそうになることすらあった。
 試合後の監督会見に現われた呂比須ワグナー監督は「フィニッシュのところまでボールを運ぶことはできたがゴールを奪えなかった。逆に相手はチャンスをしっかりと決めた。残念な結果になってしまった」と沈痛な面持ち。
 
 失点シーンについては「交代直後のことだが、選手の理解や守備の整備が足りなかったわけではない。ちゃんと交代時に指示も出した。ただ、セカンドボールをゴール前に入れられた際に、下でもっと準備をすれば良かったし、ボールに対してアグレッシブにいかなければならなかった」と語った。
 
「もっとパスをつなぎたかった」という攻撃面では「ミスで相手にボールを渡してしまった。クオリティの問題。パス、判断、動いてスペースを作る、選手同士の意思疎通。練習でやれているが、本番になるとメンタルが絡んでくる。自信がね。ずっと勝てていないから。
 
 リスクマネジメントも必要だと思っている。しかし、積極的な姿勢も重要になる。もちろん選手たちは一生懸命に戦ってくれているが、なかなか……。ボールを保持して攻めていきたいが、それが今日もできなかった」と悔やんだ。
 
 また、16位の大宮に敗戦したことの意義を問われると「大事な試合だとみんなが理解していた。先制を許したのは痛かったが、素早く判断して、『大切なゲームなんだ』と身体を張って守れなかったことで残念な結果になった」。
 
 今節も黒星を喫したことで、新潟が22節を終えて積み上げた勝点はわずか「9」(2勝3分17敗。12得点は甲府に次ぐリーグワースト2位、45失点はリーグワースト)。17位の広島とは勝点6差、16位の大宮とは同10差、そして残留圏にいる15位の札幌とは同11差まで開いた。