話題の「離婚式」に出てみたら、シュールすぎて白目になった

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 こんにちは。ルポマンガ家の、小沢カオルです。今回は、離婚式に参列取材した時のお話をしたいと思います。

「離婚式」とは、離婚を決めた夫婦が、けじめのために行うセレモニー。プランナーの寺井広樹さんが提唱し、すでに400組以上が挙式しているそうです。さて、どんな式なのやら……。

◆離婚式のシュールな光景…

 私が参列した式のカップルは、6年間の結婚生活にピリオドを打とうとしているご夫婦。会場は広尾のオシャレなレストランで、30人ほどの参列者が言葉少なに式の始まりを待っています。うん、確かにどんなテンションでいればいいのか、わからない。

 司会の寺井さんの合図とともに、2人が入場して離婚式がスタート。新郎ならぬ、旧郎(きゅうろう)はグレーのスーツ、新婦ならぬ旧婦(きゅうふ)は黒いワンピースにつば広の帽子という出で立ちで、その表情をうかがうことはできません。一礼の後、寺井さんが離婚に至った経緯を読みあげます。

「帰りの遅い旧郎様と、さびしがり屋の旧婦様。小さなすれ違いが重なり、心が離れ、本日離婚とあいなりました」

 白目になりそうなほどシュールな光景ですが、参列者たちは一様にうつむいて、しんみり。

 友人代表は、仲人ならぬ裂人(さこうど)となって、2人にエールを送り、旧郎からも「皆様とは、末永くおつきあいさせていただきたい」旨の挨拶があると、深くうなずく女性の姿も。

◆結婚指輪を叩きつぶし、晴れやかな元・奥さんの顔

 続いては、離婚届に記入、捺印の儀。

 寺井さんが高々とそれを掲げ、参列者が証人となります。

 ラストは、2人が一つのハンマーを手にとって、結婚指輪をつぶす「最後の共同作業」。静かな式場に響く、ゴンっという鈍い音に、「ああ、もったいない!」とため息が漏れそうになりますが、それは第3者の感想。

 このとき初めて見えた旧婦さんのお顔は、とても晴れやかでした。参列者から拍手がわいたのも、この瞬間です。

 式が終わると会食。さすがに私は参加しませんでしたが、おそらく皆さん初体験の離婚式を終え、ようやくほっとしたムードが漂っています。

 旧夫婦を囲んで、忌憚ない会話が交わされる様子を見ると、離婚式の意味もわかるというもの。普通の離婚では、一方からしか話を聞けず、どちらかが悪者になってしまったり、夫婦共通の友人関係が壊れてしまったりしがち。挙式することでそれを避け、離婚話もタブーではなくなるんですね。

◆「お色崩し」という名のパイ投げも

 離婚式には、ほかにも様々なオプションがあります。2人が別れるまでの写真のスライドショー。キャッチした人は円満離婚できるという、ブーケトス。もう一度、白無垢のように真っ白に戻るための「お色崩し」いう名の、パイ投げ。

 うん、やっぱりシュール! でもスカっと気持ちよく別れられそう! 離婚をお考えのあなた、離婚式も悪くなさそうですよ。

【小沢カオル】
マンガ家。主に体験取材系を執筆。著書に「あやしい取材に逝ってきました。」「超あやしい取材に逝ってきました。」「キツい取材に逝ってきました。」「あやしい男と失恋(ヤ)ってきました。」(秋田書店)「東京23区女ひとり風呂」(竹書房)他。