男子400メートル決勝で3位に入った日本【写真:Getty Images】

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直前にメンバー変更も400mリレー初の表彰台…海外メディア「最高のパフォーマンス」

 陸上の世界選手権(ロンドン)は12日(日本時間13日)、男子400メートル決勝で日本は38秒04で3位に入り、大会史上リレー種目初の銅メダルを獲得した。多田修平(関西学院大)、飯塚翔太(ミズノ)、桐生祥秀(東洋大)、藤光謙司(ゼンリン)が頂上決戦でつないだバトンと力走は、海外メディアから「なんて卓越したレースなんだ」と称賛されている。

 ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、サニブラウン・ハキーム(東京陸協)という実力者を欠いた日本だが、選手紹介で4人並ぶと笑顔で深々と一礼。ロンドン・スタジアムの観衆の心を「お辞儀パフォーマンス」でつかんだ。

 そして、第9レーンからスタートした日本は、多田が持ち前のロケットスタートで加速。2走の飯塚が堅実につなぐと、3走の桐生は卓越したコーナーリングを披露。最後はケンブリッジに代わり、急きょアンカーに抜擢された31歳のベテラン・藤光がジャマイカの最終走者、ウサイン・ボルトが故障で失速する中、力走した。

レース前の動作にも注目「日本はカメラの前で素敵なお辞儀を披露した」

 いずれもバトンが詰まることなく、完璧な受け渡しでスムーズにレースを展開、イギリス、アメリカに続く3番手で堂々ゴールし、昨年のリオデジャネイロ五輪の銀メダルに続く、歴史的な偉業を達成した。

 この結果を受け、地元紙ガーディアン電子版は「日本はカメラの前で素敵なお辞儀を披露した」とレース前の動作から注目し、「日本は銅メダルを獲得し、中国を退けた。なんて卓越したレースなんだ」と称賛。そして、フランス地元紙「レキップ」電子版も「日本は最高のパフォーマンスで銅メダルをものにした。中国とフランスのカルテットよりも先んじた」と高く評価している。

 予選は6番手で通過。100メートルの自己ベスト9秒台不在だった日本の4人衆は、直前にメンバー変更もありながら、お家芸ともいわれる完璧なバトンパスで、悲願のメダルと世界の称賛を勝ち取った。