自分では嫌いな性格的特徴、見方を変えれば「強み」に

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私たちのほとんどは、自分の性格について好きになれない部分がいくつかあり、それらを自分の妨げになるものだと考えている。人間的な成長や自分の弱点を克服しようと努力することはもちろん私たちにとって有益だが、自分の少し「変わった」部分は必ずしも、なくそうとすべき点ではないかもしれない。

私たちの「変わった性格」には、大きな価値があると考えられるということだ。そうした性格的・心理的特徴には、主に次の6つが挙げられる。

・内向性

内向性は学校でも職場でも、正当に評価されなかったり、特に気にもされていなかったりする場合が多い。だが、史上最も優れた知性を持った偉大な人たちの中には、チャールズ・ダーウィンやアルベルト・アインシュタイン、ビル・ゲイツなどといった内向的な人たちがいる。

重要なのは、内向的であることが「無口」「内気」とは異なる問題だという点を覚えておくことだ。これは、その人がどいうった状況からエネルギーを得る性質であるかの問題だ。外向的な人は社会的状況からの刺激によってエネルギーを得る。だが、内向的な人はそうした刺激を強すぎると感じるため、一人になってエネルギーを蓄える必要があるのだ。内向的な人たちの優れた創造的・知的能力から考えれば、私たちの行動や学校・職場の状況を見直してみることが有用かもしれない。

・神経症的傾向

神経症的傾向は、一般的には「最も魅力的」とは受け止められない性質だ。だが、「喜劇的」な面を持つなど、それほど悪いものではない。

神経症的傾向を持つ人はうっかり忘れてしまうことが少ないため、締め切りに遅れることもあまりない。また、数年前に発表された研究結果では、神経症的傾向が創造性と関連している可能性も示されている。一つのアイデアについて繰り返し考え続けることが、創造的な大発見につながる可能性が高まるというのだ。あふれる才能と創造性で歴史的に名を知られる人たちの中には、確かに神経症だった人たちもいる。

・型破り

芸術や文学、科学など特定の分野では型破りな思考が相当に重視されるが、一般的にはそうとは言えない。型破りな思考は現在でも、それが大切にされるべき場所、つまり学校でも、押さえつけられたり、罰せられたりしている。学校では、興味深い考え方以上に「正しい答え」によって報われことが多い。

長年にわたって創造性に関する研究を続けているある研究者によれば、学術界や政界、文学界においても、そして起業家たちの間でも、成人後の成功との関連性は、子供のころの創造性の方が知能指数(IQ)より3倍高いことが分かっている。

型破りな考え方を大切にし、それを自分が重視する分野にあてはめる方法を見つけ出すことができれば、それは最終的に、型にはまった考え方よりはるかに貴重な性格的特徴だといえるようになるかもしれない。

・自問・自己反省する癖

自問し自己反省しすぎることは、自己不信と効率の悪さにつながる。だが、理解しているつもりのことに対しても「過信」せず、間違っている可能性もあると意識しておくことは、仕事においても人間関係においても、私たちをより良い状況に置いてくれる。

今年発表されたある研究結果によれば、自らの知性や信念(信条)について謙虚であり、不完全さを持つ可能性を認めることができる「知的謙虚さ」は、数多くの望ましい性格的特徴と関連していることが分かっている。自分自身を評価し見直すことで、私たちはさらなる成長を実現することができる。

・注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害(ADHD)があることは、非常に強いストレスを抱えているということだといえる。だが、科学や音楽、スポーツなど多くの分野で大きな成功を収めた人たちには、この障害を持つ人が多い。当然ながら、ADHDには前向きに受け止めるべき点もあるということだ。

矛盾するようではあるが、ADHDがもたらす最大の強みともいえるものの一つが、「過集中」と呼ばれる症状だ。ADHDがある人の多くは、関心のある一つのことに何時間も集中し続けることができる。ADHDと診断されれば、薬による治療や行動療法が必要だ。だが、ごく普通の人たち以上にできることがあるということを、認識しておくべきだ。

・心的外傷・精神的苦痛の経験

私たちの多くには、それによって自分の価値が損なわれたと考えるような経験がある。だが、実際にはそうした経験によって、私たちが得ることもある。痛みを伴う状況を経験することは、私たちを強くし、人に共感する能力や意欲を高めてくれる。

心的外傷がうつや心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因になることは確かだが、それを抱える人を前進させる力になることも多い。命に脅かすような経験は、それを乗り越えた人の前進する力にもなる。「あの恐ろしい経験に耐えられたのだから、これから何でも乗り越えられる」と考えられるようになるのだ。

自分の「良くない」性格的特徴について、悪いばかりだとは思わないことだ。その特徴の中にも、いくつもの良い点があるはずだ。