鉄道路線の直流区間で「電圧発生なし、電気抵抗ゼロ、送電損失なし、高い電流値」などのメリットを見込み導入が期待されている直流超電導ケーブル。実用化に向けて一歩前進です。

超電導き電ケーブルシステムを研究開発してきた鉄道総合技術研究所は8月4日、実用段階にちかい新たな超電導き電ケーブルシステムを開発。その概要を発表しました。

超電導き電ケーブルシステムは、高温超電導材料で構成された線材を冷却し、電気抵抗 0オームの超電導状態にして電気を流す仕組み。実現させるためには、約マイナス196度(77ケルビン)の液体窒素を冷媒とする冷却システムが必要になります。そのため、高性能で安定した冷却機構の開発が課題のひとつとされていました。

今回、鉄道総研が発表したシステムは、実路線での試験に向け、冷却機構を改良することで安定性を向上。新たな冷却機構は、ケーブル超電導部に熱絶縁性能の高い材料を使用し、ケーブル内部の温度を均一に保つとともに、端末部の熱侵入を低減。さらにケーブル専用に設計したブレイトンサイクル方式の冷凍機を適用しました。

この新システムにより、冷凍機が停止した場合でも2〜3日は超伝導状態を保持可能、サブクーラー不要といった進化をとげ、2週間連続運転しても異常がないことも確認されました。

新システムでは、超電導線材の量を増やし、電流容量8000アンペア以上を達成(長さ408メートル)。この数字は、変電所間で、10両前後の車両が2〜3本が走る都市近郊路線を想定したシーンに対応。同社は今後、実路線での送電試験も計画しています。


写真は鉄道総研内で試験中の超電導ケーブル(黒いパイプ)