[8.12 J2第27節 名古屋5-2松本 豊田ス]

 先発デビュー戦は収穫と課題がはっきりと出た。松本山雅FCへの来季入団内定、今季は特別指定選手として参加しているDF下川陽太はほろ苦いものになった。

 下川は高校サッカーの名門国見高から大阪商業大に進学。4年生に上がる前の今年2月に早くも来季の松本入団内定を発表した。そして今季は特別指定選手として参加すると、前節の湘南戦で途中出場してデビュー。そして今節は左WBで先発のピッチに立った。

 序盤は名古屋を翻ろうした。前半13分には左エリア内に入ってシュート。同23分には同じくエリア内を縦に突破し、鋭いクロスボールを入れる。「持ち味を出していこうと思っていた」。いずれもボールは右に流れたが、スタジアムの視線をくぎ付けにした。

 しかし前半33分、守備の場面で一瞬対応が遅れると、MFガブリエル・シャビエルとの競り合いの中でオウンゴールを献上。後半は課題のスタミナ面も顔を出し、前半のように存在感を見せることは出来なかった。

 オウンゴールの場面は判定が厳しく、スタジアムにリプレーが流れた場面では、松本サポーターのブーイングを呼んだ。ただ下川は「1点目のシーンはもう少しいいポジションを取っていればああいうことにならなかった」と自らを責め、「審判のせいにするのは簡単ですが、自分のミスかなと思っています」と言い訳にはしなかった。

 試合後、下川の印象について問われた反町康治監督は、「プレーが雑。残念ながら90分プレーする力はない」と厳しく突き放したが、「あまり持ち上げないで」と話した表情に背番号29に対する期待ものぞかせた。

 そう、下川のJキャリアは始まったばかり。「(初先発は)ワクワクして楽しかった。来年のこともそうですが、今を全力でやっていきたい。90分間、もっとタフに戦える走力をつけて、突き詰めていきたいなと思いました」。初々しく答える21歳がの可能性は無限に広がっている。

(取材・文 児玉幸洋)
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