Photo by Nicolas Alejandro Street Photography(写真はイメージです)

写真拡大

 雨上がり決死隊の宮迫博之(47)が11日の『バイキング』(フジテレビ系)に出演し、一連の不倫報道について生釈明した。宮迫は、8月10日発売の週刊文春に報じられた女性2人と都内ホテルで過ごしたことについて、「事実です。泥酔していました。 酔うとホテルに行くことは何度もある。今回はたまたま2人きりになってしまった」と説明した。

 番組自体は相方・蛍原徹(49)やコメンテーターの東国原英夫(59)、土田晃之(44)らのツッコミもあり、おおむね和やかなムードで進行。恐妻家で知られる宮迫が反省しきりの様子で「(妻から)とんでもないぐらい怒られました。当然です。家の中にいるのが地獄なくらいでした。(中略)でも最終的には『家族だから助けるよ』という男前の言葉をいただきました」と時おり目を潤ませながら話し、番組は「恐妻家のいい話」に近いムードでコーナーを終了した。

 これに受けて、テレビ業界関係者の間では「宮迫はうまく鎮火に成功した」と見ている向きが広がっている。ある芸能記者は、その背後には『バイキング』の番組ぐるみの”協力”があったのではと語る。

「11日の放送で坂上も言っているが、実は宮迫は7月中から文春に張られてることを知っていた。宮迫は8月上旬に一部の吉本関係者に『記事が出るかも』と相談していたという話もある。タレントの不倫騒動としてはよりインパクトがある、上原多香子(27)の不倫疑惑が文春と同じ発売日の『女性セブン』に出たことで、宮迫への風当たりが急速に弱まったという運もありました。生釈明の当日、念入りに同じようなセリフを繰り返し口にしてリハーサルをする宮迫の姿が一部スポーツ紙で報じられているが、番組全体から宮迫を応援するムードが充満していました」

 番組MCの坂上忍(50)に、「でも下心があったのでは?」と聞かれた宮迫は、「飲むと調子にのってしまう。(女性と性行為が)できるかもと魔が差しまくっていた」と神妙な顔つきで告白。ただし、同泊女性との”行為”については「何もないです」と、一線を越えていないと不倫関係を否定した。いつもは不倫騒動や安倍政権に舌ぽう鋭い毒舌で切って捨てる坂上だが、この日に限っては追及もなく、宮迫の言葉をうなづくのみ。ふだんは著名人の不倫騒動に手厳しく批判する橋本マナミ(33)も、宮迫にかつて手の甲で胸を触らせてほしいと迫られたエピソードを披露するのみに終わっている。

「幸い、金曜レギュラー陣には、不倫のうえ淫行で謹慎・離婚した東国原と、愛妻家イメージの土田。番組の中盤、東国原が『犯罪的には、嫌疑不十分で不起訴の案件』と諌め、土田がすかさず『(酔った宮迫は)熱いお笑いの話と宇宙刑事ギャバンを熱唱する記憶しかない』とフォロー。最後は宮迫が用意した家族とのがん闘病エピソードや恐妻家ネタで締め、と。リハーサルもやり込んだだけに番組レギュラー陣からのお説教ムードと宮迫の反省の空気は演出できる。宮迫も演技派の俳優という一面があるだけにこれらを生放送という緊張する場で完璧にこなした。宮迫はうまくやり切ったというのが業界内の見方です」(お笑いに携わる放送作家)

 本来であれば昨年のベッキー(33)がそうしたように、より厳しい質問が飛ぶ会見を開くべきところ。しかし、宮迫は予定調和の釈明コントで禊が済んだ空気になっている。不倫タレントの鏡ともいえる鎮火劇といえるかもしれない。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。