堅実女子の質問に、弁護士・柳原桑子先生が回答する本連載。今回の相談者は、西村優菜さん(仮名・34歳・IT関連会社勤務)

「先日、彼と別れて独身を覚悟しました。それでずっと飼いたかったワンコと一緒に、2人で生活をしようと思い、ペット可物件に引っ越して、ミニチュアダックスフントを飼い始めました。最初はペットを飼わずに入居し、その1か月後にワンコと一緒に暮らすようになったのです。

そうしたら、隣の部屋の人(40代後半の独身女性)から、“鳴き声がうるさい”と言われました。私の部屋は4階なのですが、ウチのドアのインターホンを直接押すのではなく、わざわざエントランスに行って、モニター越しに苦情を言うのです。ほかにも、ゴミの出し方、ドアの開け閉めの音など、エントランスのインターホンから言ってくるのです。今では隣の部屋のドアがバタッと音がするたびに、“あ、また苦情が来る”とビクビクするように。

だから怖くなって、できる限り静かにしているのですが、隣の人はベランダで耳をすましているようで、私はベランダに出ることもできなくなりました。ちょっと面倒くさいタイプの女性のようですが、なるべく円満に暮らしたいと思っています。

ちなみに彼女は猫を飼っていますが、あまり鳴き声はしません。ウチのミニチュアダックスフントは、まだ赤ちゃんですが、トレーニングをしてから飼っているので、あまり吠えない方だと思います。でも、お散歩に行く途中、廊下を歩いているときにはしゃいで吠えてしまうことはありました。

でも、よく考えると、私はペット可で入居しているのですから、隣人の方に非がありますよね?彼女を追い出すことはできますか?それとも、私の部屋を彼女とは別のフロアにしてもらうことはできるのでしょうか」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

このケースの場合、そもそもペット可という物件です。ですが、ペットに関して何でもありというものではなく、近隣の人との関係は、互いに折り合いをつけて過ごしていくべき面があると思います。

静かに過ごしたい猫を飼っている隣人と、どうしても吠えてしまうという犬というペットと暮らすあなたとでは、利害の調整が必要なところ。直接話し合いができそうもない場合には、管理人さんや大家さんに間に立ってもらってはいかがでしょうか。

第三者的立場の人に、あなたが現在置かれている状況、隣の人の行動が発生した状況を説明し、改善に向けて行動をしたほうがいいのではないかと思われます。

ペット可物件であっても、トラブルになることも。かわいいペットと落ち着いた生活をするためには、話し合いが不可欠。



■賢人のまとめ
マンションやアパートなどの共同住宅で快適に過ごすには、相互理解が不可欠。話し合うことから始めてみることが大切です。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/