昔ながらの瓦屋根に、空に伸びる白い煙突がトレードマークの「鹿島湯」。創業60年を超え、今も地元の人々から愛されている銭湯だ。入口を入ると、正面の番台にお座りしていた三毛ねこの琥珀とご対面!

「私がここで居眠りしていると、代わりに番台をしてくれるの。目が覚めると、琥珀の前にお客さんが入浴料として置いていった小銭が並んでいたりすることも(笑)。琥珀に会いたくて、通って来るお客さんもいるのよ」(銭湯を経営する坂下ミエ子さん)

 営業の始まる午後3時、琥珀はミエ子さんとともに番台に“出勤”。パステルカラーのような優しい色合いの三毛で、お客さんからも「美ねこ」と評判だ。人なつこい性格で、ねこ好きのお客さんには自ら寄っていき、挨拶する。抱かれるのは苦手だが、撫でられるのは大好き。毎日のように撫でられた毛並みが、ツヤツヤと輝いている。

「営業が終わる30分前には『そろそろ帰ろう』って、私を迎えに来てくれるの。ちゃんとウチの営業時間もわかってるのね」(ミエ子さん)

 琥珀が坂下さん一家のもとにやってきたのは、2012年5月のこと。ミエ子さんの息子・三浩さんの友人が、東日本大震災のボランティアツアーに参加した際、まだ生後2カ月だった子ねこを数匹、連れ帰った。そのうちの1匹を引き取り、琥珀と名づけたのだ。

「琥珀が生まれたのは、いわき市内の動物保護施設。琥珀の母は津波被害を受けた小名浜で飼われていましたが、 飼い主が亡くなってしまい、保護施設に収容されたんです。そこで琥珀を産んだそうです」(三浩さん)

 鹿島湯ですくすくと育ち、1歳のときには7匹の子ねこを出産したという琥珀。彼女にとっては、男湯も女湯も関係ないのだ!

(週刊FLASH 2017年5月9日・16日合併号)