最近、TwitterやInstagramで話題になっているお寺、京都・宇治田原の「正寿院」をご存じですか?ここの客殿にはインスタ女子必見のハート型の窓があるんです。客殿の静寂な雰囲気の中、ハート型に切り取られた自然の景色がなんとも可愛くて、ずっと眺めていたくなります。

ハートの景色がまるで1枚の絵のよう。夏は新緑の緑で、秋は紅葉の赤、冬は雪の白、春は桜のピンクと、四季折々の風景が楽しめる。

このハートの窓の形は猪目(いのめ)と言って、約1400年前から寺社の建築に用いられている日本伝統文様のひとつ。災いを除いて、福を招く意味が込められているそうです。

正寿院がある宇治田原町は有名なお茶の産地。実はこの客殿を造る時に住職は、茶畑の緑や香り、川の音や鳥の声など、自然を五感で感じてもらいながら、くつろいでもらえる場所をと、神仏を祀らない客殿を考えたそう。「でももし火事などが起こった時に、神仏を祀っていなかったせいだと後悔するかもしれない……」。そこで宮大工が猪目窓を提案し、客殿「則天の間」が完成したのだとか。

宇治田原の山々に囲まれた正寿院の客殿「則天の間」。

客殿の天井は、花と日本の風景をテーマに描かれた160枚の絵画で埋め尽くされていて圧巻。この天井画は日本を代表する書家 祥洲・福田匠吾をはじめ、100人近くの日本画家や芸術大学の生徒によって描かれています。これらの絵を寝転んで見ることができるのも、猪目窓で守られているおかげ。しかも天井の東西南北には、青龍(東)、白虎(西)、朱雀(南)、玄武(北)の絵があり、四神にも守られています。

美しい天井画。50cm四方の板に、四季折々の花や日本の風景が描かれている。

東に配置された青龍の絵。四隅付近には春夏秋冬の舞妓画があるので探してみて。

縁側に座ってのんびり過ごしたい。モデルは2017ミス日本酒京都代表の白濱萌音(しらはま・もね)さん。

この客殿を訪れるには、先に正寿院の本堂に行って、受付を行ないます。その時に受け取る蓮の花びらをかたどった散華(さんげ)が、受付を終えた証。一緒に受け取る叶紐(かのうひも)は、表の結び目が漢字の「口」、裏が「+」の形に結ばれていて、「叶」を意味する縁起のいい紐。持って帰ってお守り代わりに大切にしましょう。

散華(右)と叶紐(左)。叶紐は境内の地蔵堂に願いを込めて結んでもいい。

本堂ではまずご本尊の十一面観音さまをお参りします。観音さまの姿を拝めるのは50年に一度で、前回、開帳されたのが平成2年、次の開帳は2040年……ずっと先ですね。お姿を拝見できない代わりに、観音さまの指に繋がれた結いの紐があるので、その紐を挟みながらお願い事を伝えます。

正面奥の扉の中にご本尊が鎮座する。

十一面観音さまの中指と薬指に繋がれた結いの紐を持って、願いを伝えよう。

お参りが終わったらお茶とお菓子で一服。拝観料に含まれている。

お土産に水引で作られた猪目のお守り(700円)をどうぞ!

正寿院では、毎年7月1日〜9月18日まで「風鈴まつり」が行なわれています。境内に約2000個の風鈴が吊され、涼やかな音を奏でる様子は実に爽快。 期間中の土日には18〜21時までライトアップもあるので、夏の夜を涼しく感じさせてくれそうです。希望者は風鈴の絵付け体験(1000円)もできるので、ぜひチャレンジしてみて。世界でただ1つの私だけの風鈴が作れますよ。

庭に吊されたたくさんの風鈴。いろいろな絵柄があって見ているだけで楽しい。

透明の風鈴に絵付け。絵の具や油性マジック、シールなど、いろいろな道具が揃う。

2017ミス日本酒京都代表の白濱萌音さんも絵付けに挑戦!

Suitsのイメージキャラクターのすぅちゃんの風鈴。かわいいでしょ?

正寿院
住所:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
拝観時間:4〜10月 8:30〜16:30、11〜3月 8:30〜16:00
拝観料:大人400円・高校生以下100円(お茶・お菓子・散華・叶紐付き)
交通:京阪・JR宇治駅、近鉄新田辺駅より京阪宇治バス(180、182、184系統)「維中前」下車、コミュニティバスに乗車し「奥山田」下車、徒歩10分
http://shoujuin.boo.jp/

宇治・伏見はお得なプランで満喫!

正寿院のある宇治は、お茶処として有名な場所。「京都 お茶の宇治・お酒の伏見 満喫の旅」をテーマに、おすすめの旅行プランも提案されています。東京・品川発着の往復新幹線利用で1泊1人2万4900円〜。名古屋発着の1泊プランも1人1万4100円から用意されています。これらJR東海ツアーズやJTBなどのパッケージプランに付いているのが、お得な「宇治・伏見1dayチケット(特別版)」です。

京都 お茶の宇治・お酒の伏見 満喫の旅
https://shinkansen.travel/souda-kyoto/theme/uji-fushimiSP/index

「宇治・伏見1dayチケット(特別版)」。提示すると宇治、伏見、八幡エリアの観光施設や店舗などで、様々な優待を受けることができる。

大阪の中之島や淀屋橋から京都の出町柳までの京阪線のフリー区間が1日乗り降り自由。このような「宇治・伏見1dayチケット」自体は京阪の各沿線で購入できますが、このチケットは特別版なので、お得感が違います。京都タワー展望室入場券や、宇治の福寿園宇治茶工房のお抹茶一服券、3箇所から選んで使えるセレクト券などが付いているほか、観光施設や店舗などの割引特典も付いています。

お茶作りやお茶を飲む器作りが楽しめる「宇治の福寿園 宇治茶工房」。

1階の茶店でお抹茶を味わえる。

このチケットを使うと宇治から伏見の移動もラクラク。酒処として知られる伏見には、様々な酒造メーカーが揃います。その中でも「月桂冠大倉記念館」は、京都市有形民俗文化財に指定された多くの酒造用具を見ることができるので、ぜひ訪れたいところ。

伏見城の外堀、濠川(ごうかわ)沿いの柳並木にある月桂冠大倉記念館。ちなみに入口は反対側にあります。

寛永14年(1637年)創業の月桂冠発祥の地に今もこんこんと湧き出る「さかみづ」。

地下約50mから湧き出している酒造りの命の水とも言える井戸水「さかみづ」を飲んだり、人気銘柄の日本酒を試飲できたりと、酒好きにはたまらない内容。お土産として純米吟醸酒180mlを1本もらえるので、自分土産にするのもいいですね。

酒造りの工程順に絵図パネルと用具類を展示。

明治、大正期の商品や広告物、写真などを見られます。写真は手押し焼き印。

お祝いの席で鏡開きされる酒樽の実物も展示。

きき酒処では人気のお酒4〜5種類を試飲できます。気に入ったお酒は売店で購入可能。

月桂冠大倉記念館
住所:京都市伏見区南浜町247
開館時間:9:30〜16:15(受付終了)
休館日:盆・年末年始 ※9月9日は臨時休業
入館料:大人300円・中高生100円(お土産付き)
交通:京阪中書島駅より徒歩5分
http://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/

休憩は伏見の抹茶氷でほっこり

伏見の町を散歩してちょっと一服したくなったら、「茶寮油長」で名物の「宇治吟醸酒氷(10月10日まで)」がおすすめ。実は「宇治・伏見1dayチケット(特別版)」があれば、3箇所から選んで使えるセレクト券を使って、このかき氷も無料で味わうことができるんです。高台寺雲居庵(うんごあん)、もしくは東福寺芬陀院(ふんだいん)でお抹茶を味わうこともできますよ(拝観料は別途必要)。

京阪伏見桃山駅から徒歩4分、商店街にあるお茶屋「茶寮油長」。

「宇治吟醸酒氷」。たっぷりのかき氷にデキャンタに入った吟醸酒入りの抹茶シロップをかける。

白いかき氷が抹茶色に染まっていく様子が楽しく、味も日本酒風味でおいしい。

「茶寮油長」では「宇治吟醸酒氷」のほか、抹茶ロールとお抹茶のセット「龍馬セット」を選ぶこともできる。

普段は非公開の建物や庭園などが期間限定で見られる「京の夏の旅 文化財特別公開」で賑わっている夏の京都。「そうだ 京都、行こう。」と思い立った人は、お得な旅行パッケージプランを使って、宇治や伏見にも足をのばしてみてはいかがですか?

2017年夏特集「テーマでめぐる京都旅 宇治&伏見」
http://souda-kyoto.jp/tokusyu/summer/2017/index.html

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取材・文/綿谷禎子