「和食中心の日本人」には欧米のダイエット法は不要

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次から次へと、よくわからない欧米発の横文字の健康法が乱立する昨今。とりあえず健康によさそうだと思って取り入れると、実は恐ろしいことになる可能性も……? そんな”健康オタク出羽守”に警鐘を鳴らす!

◆代謝の低い日本人の減量は和食が最も適している

 日本人は代謝が低い人種だが、欧米人より基礎代謝が約150kcal少ない原因は、体質や肥満遺伝子も関係している。その理由は、日本の自然災害などにあるという。遺伝子検査を駆使したダイエットに詳しい、医師の林博之氏は言う。

「日本人は災害のたびに食糧難に陥ったため、基礎代謝を落とし、摂取したカロリーを体内に保持できる体質になったと考えられます」

 このことからも、人間の体質が環境的な要因によって長期的に変化していくことがわかる。

 だからこそ、欧米発のダイエット法に関しても、うかつに取り入れるのは危険だと林氏は警告する。日本人の体質に適した健康法やダイエット法を取り入れようとするならば、和食を食べることが最も理にかなっているのだと言う。

 特に和食の基本である一汁三菜(主菜1品、副菜2品+ご飯)は、ダイエットに不可欠な要素が奇跡的に揃っているのである。

 オクラ、納豆、メカブなどのネバネバ食材はタンパク質の吸収を助け、血糖値上昇を抑える。また、きのこ類は低カロリーで食物繊維が豊富で水分を含むと膨れるため、満腹感を得やすく、老廃物をスムーズに排泄する効果もある。

「和食中心の生活をしていれば欧米のダイエット法を取り入れる必要はないはず」(林氏)

 欧米の健康ブームに飛びつくより、日本の食文化を見直したほうがよっぽど体に良さそうだ。

◆日本人に効かない薬がある!?

 日本人は薬が効きすぎることがあるのたが、逆に効果が出にくい薬も存在する。

 薬剤師の田中涼子氏(仮名)は言う。

「人間の体には、CYP(シップ)という薬物を代謝するための酵素があり、この酵素の働きは人種によって異なります。欧米でつくられた薬は、欧米人のCYPの活性率に基づいて開発されているため、日本人には効きにくいんです」

 単に成分が強いだけでなく、酵素量も合わないのである。逆もまたしかり。例えばバファリンは、日本人用に開発された薬であるため日本人のCYPに則った用法用量になっている。

「ただし、CYPには個人差もあるので、日本人用につくられた薬であっても全員に効くわけではありません。“自分に合う薬”という目線を持つことが大事です」

【林博之氏】
渋谷DSクリニック院長。医学的根拠に基づくダイエットの啓蒙に努める。著書に『ダイエットの真髄〜医師が教えるリバウンド知らずのダイエット術〜』(産経新聞出版)

【奥田昌子氏】
内科医、健診医、産業医、医学博士。三菱ケミカル豊橋事業所健康支援センター勤務。『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)がヒット中

【寺尾啓二氏】
化学者。シクロデキストリンを用いた機能性食品開発などを行うシクロケム代表取締役社長、神戸大学医学部客員教授。新著に『本当は健康寿命が短い日本人の体質』(宝島社)

(※)日本人とは?
「日本の国土で遺伝子を受け継ぎ、共通の生活習慣を持つ人々」(奥田氏)、「大陸との混血なく島国の中で代々生きてきた、ネイティブ」(寺尾氏)。本特集では両氏の見解を折衷し「日本に生まれ育ち、現在も在住している人」と定義する
― 欧米の健康法は日本人に効かなかった ―