日本の2017年版防衛白書に中国メディアは「過去の主張を繰り返し、海洋安全問題で『中国脅威論』を吹聴」と猛反発。韓国メディアは「安倍晋三首相は『軍国主義』の復活を目指している」と警鐘を鳴らしている。写真は中国の軍艦。

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2017年8月11日、日本の2017年版防衛白書に隣国のメディアが厳しい目を向けている。中国国営メディアは「過去の主張を繰り返し、引き続き海洋安全問題で『中国脅威論』を吹聴」と猛反発。韓国メディアは「安倍晋三首相は『軍国主義』の復活を目指している」と警鐘を鳴らしている。

8日に閣議決定された防衛白書は、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発について「新たな段階の脅威」と明記。中国に関しても「国際社会の安全保障環境に与える影響が強く懸念される」と表現を強めた。中国海軍艦艇と爆撃機などが1月に日本海で訓練を実施したことを踏まえ、「海上戦力の日本海における活動が今後活発化する可能性がある」との見解も示した。

中国国営新華社通信は白書について「中国に関係する部分は16年よりさらに増えて34ページに達した」と指摘。「中国の通常の軍事活動や正当な国防建設について一方的な発言をしており、特に南シナ海、東シナ海問題に関して中国海軍の定期訓練、海上警備巡視船の釣魚島(日本名・尖閣諸島)海域の巡航、南沙(英語名・スプラトリー)諸島での国土防衛施設の配置などの正当な行為を身勝手に歪曲(わいきょく)」と非難している。

さらに「中国海軍の活動が『拡大化の傾向』にあると誇張し、これが日本を含む地区、さらには国際社会の安全保障環境に影響するとして『強く懸念』すると主張している」と言及。「安倍政権は軍拡の言い訳として中国脅威論を騒ぎ立てている」とする専門家の分析なども紹介している。

防衛白書について、中国国防部の報道官は8日夜、談話を発表し、「中国軍に対する悪意を持った中傷と国際社会に対する欺まんに満ちあふれたもので断固として反対する」と強く反発。「日本は平和憲法を改正しようとたくらみ軍備も拡充しているほか、南シナ海の問題をめぐっても当事国ではないにもかかわらず力の限り介入している」として、現状変更を試みているのは日本の方だと主張した。

一方、韓国の聯合ニュースは防衛白書を取り上げた記事の中で「安倍政権は北朝鮮の脅威を名分に防衛費を年々増やしてきた」と前置き。「日本の防衛費は国内総生産(GDP)比で1%水準にもかかわらず、絶対額では韓国やフランス、ドイツよりも多い。自民党などの一部では防衛費をGDP比で1%超に引き上げるべきとの主張もあり、防衛省は18年度の防衛費として今年の当初予算より多い5兆2000億円以上を要求するとされる」と説明している。

その上で「日本の武装強化の動きは今月3日に就任した小野寺五典防衛相が北朝鮮のミサイル発射拠点を破壊する『敵基地攻撃能力』の保有を検討する考えを示したことにも表れている」と強調。「安倍首相は6日に広島で行った記者会見で『現時点』で敵基地攻撃能力の保有を具体的に検討する予定はないと述べ、将来的な検討に含みを残した」として、警戒している。(編集/日向)