荒涼とした土地にひっそり建つ白い家。

伸び放題の雑草を見るに、おそらくもう永いこと誰も寄りついていないのだろう。人気のない寒々しさだけが漂っている。

恐る恐る中へ。

壁は剥がれ落ち、床板は朽ちていた…。もう戻ってはこない家主が、写真フレームの中から笑いかけてくる。

棚や台所には、まだ本や鍋が置いたままだというのに、床には破片が散乱。置き去りにされた“生活感”だけがそこにある。

誰かに見られている気がする…その刹那、現れたのは少女の横顔。悲鳴をぐっと飲み込んで、彼女の視線の先を追ってみると…。

彼女たちは、取り壊される運命にある廃墟の最後に花を添えるべく、メルボルンのストリートアーティストが施したもの。アートか、落書きか、どちらにしたって、誰の目に触れることなく葬り去られていただろう。

けれど、こうして多くの人に最後を知る機会を与えられたとすれば、この家も寿命をまっとうしたと、思えるかもしれない。

それにしても、彼女たちの虚ろな表情を見ていると「私を忘れないでいてね…」なんて声が聞こえてきそうでゾクッ。

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