家電女優・奈津子×安蔵靖志の「最新家電」丸わかりニュース:2017年7月

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元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。第10回は2017年7月に発表された家電製品をご紹介。今月はオーブンレンジから健康家電まで、見逃せない最新モデルが登場しています。

■ヘルシオで「あぶり調理」が可能に!

安蔵:7月は「食欲の秋」に向けて調理家電製品が多数登場しましたね。シャープは昨年モデルの「ヘルシオ」でAI(人工知能)とIoT(もののインターネット)を組み合わせた「AIoT」を打ち出していますが、今回のヘルシオシリーズはそれをさらにブラッシュアップしたモデルになっています。ある意味マイナーチェンジでもありますが、「あぶり調理」ができるようになりましたね。

▲シャープが2017年8月9日に発売する過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシオ AX-XW400」(実勢価格17万8000円前後)

奈津子:過熱水蒸気を集中させることで、中まで火を通さずに表面だけあぶるんですよね。プロの料理人がガスバーナーを使って調理したかのような仕上げが再現できる仕組みはすごいです。

▲「天面ヒーターのワット密度を従来の1.39倍にアップすることで、表面だけあぶることが可能になりました」

安蔵:空気に比べて圧倒的な熱量を持つ過熱水蒸気ならではの調理ですね。

奈津子:発表会では「鰹のたたき」と「ミディアムレアのステーキ」などを試食しました。絶妙な火加減でとてもおいしかったです。

▲「鰹のたたき」を試食しているところ

安蔵:ヘルシオシリーズは音声対話で操作や献立相談ができる「COCORO KITCHEN」がバージョンアップし、反応も向上したそうです。昨年モデルでも進化した機能を使えるのが“クラウド時代”の家電ならではですね。さらに今回は上位2モデルに搭載したので、より幅広いユーザーが使えるようになりました。

奈津子:献立の幅を広げてくれる便利な機能なので、ぜひ積極的に使ってほしいですね。

▲「下ごしらえした食材をセットしてボタンを押すだけで調理できる『まかせて調理』は、細かい計量や時間のセットなどが不要なので、ズボラな自分からするとすごく魅力的です。とくに慌ただしい朝食時に大活躍しそうですね」

■日立の最高級オーブンレンジが初値10万円切り!

安蔵:日立アプライアンスもオーブンレンジを発売しましたが、こちらはかなり思い切りました。

奈津子:オーブンレンジの最上位モデルは毎年16万〜18万円ほどとかなり高額ですが、日立の「MRO-TW1」は発売時で9万円前後と、他社の半額くらいからスタートしています。

安蔵:他社の場合はカラータッチパネル液晶などを搭載していますが、こちらはかなりシンプルに仕上がっています。日立ならではの「焼き蒸し調理」が今回は非搭載ですが、それ以外は基本的にハイエンドモデルらしい機能をしっかりと搭載しつつこの値段なので、かなり売れそうな感じがします。

▲日立アプライアンスが2017年7月14日に発売した過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-TW1」(実勢価格8万8000円前後)

奈津子:レシピサイトがスマホに最適化されて検索や表示がしやすくなった方が重要なトピックですよね。レシピブックのPDFファイルなどではなく、スマホで検索ができるのはかなりうれしいですね。

安蔵:紙のレシピブックは汚れるし検索もできないのでなるべくキッチンに置きたくないんですよ。でも防水対応のスマホやタブレットなら安心。見た目よりも実を取ってお求めやすくした点はかなり評価できると思います。

▲スマホに最適化されたレシピサイト

奈津子:まだ数は少なめですが、アプリではレシピ動画も見られますね。今回は本体価格も安めですし、もっとアプリを高性能化したら若い世代や夫婦の間でクチコミが広まりそうな気がします。ぜひ既存のレシピ動画サイトのように、クオリティの高いレシピ動画本数を増やしてほしいです。

▲「試食したローストビーフ、チンジャオロース、ブリ大根、茶碗蒸し、トンカツ、どれもおいしかったです。特にノンフライのトンカツが思いのほかサクサクなのが印象的でした」

▲「主菜1品と副菜2品を4人分までいっきに調理できる『おかずセット』メニューが忙しい共働き夫婦などにはすごく便利そうです」

■日立「ビートウォッシュ」も地味ながらさらに進化

奈津子:それから、日立アプライアンスの縦型洗濯機「ビートウォッシュシリーズ」の体験会にも伺いました。実際に汚れの付いた衣類を洗濯するというデモをしていただきましたが、「やっぱり洗濯機は日立だなぁ……」と感動するほどの洗浄能力の高さが感じられました。新たに洗剤の種類や汚れを検知するセンサーを搭載し、使用水量や消費電力、運転時間をコントロールしてくれるのも魅力ですね。

▲日立アプライアンスの縦型洗濯機「ビートウォッシュ BW-DX120B」(実勢価格22万8000円前後)

安蔵:通常の洗濯コースに加えて、弱水流で洗う「デリケートコース」、遠心力による押し洗いでさらに優しく洗う「おしゃれ着コース」と、おしゃれ着用のコースが2つも搭載されているのも大きな特徴です。

▲「テスト用の生地を使って、3つのコースで洗濯したもの。標準コースより『デリケートコース』、それより『おしゃれ着コース』が生地のほつれが少ないのを確認できました」

奈津子:縦型洗濯機に上ブタにガラスの一枚板を採用しておしゃれ路線に向いたのは日立が最初だったと思うのですが、見た目がもう少しスタイリッシュだと「人にすすめやすい」んですけどね……。でも洗濯槽の底が高くて洗濯物の出し入れがしやすい設計は◎です。

▲「洗濯物の出し入れはしやすいですね」

安蔵:決して派手さはないんですが、洗濯容量12kgは業界最大ですし、汚れ落ちもいいし、性能面では魅力的なシリーズですよね。

■三菱冷蔵庫が清潔性と節電でさらに進化

安蔵:三菱電機の冷蔵庫「置けるスマート大容量シリーズ」の最新モデルが登場しました。約-7℃で瞬間的に凍らせる「切れちゃう瞬冷凍」、氷点下なのに凍らせないで保存できる「氷点下ストッカーD」に加えて、昨年は野菜の光合成を促進してビタミンCを増加させる「朝どれ野菜室」を搭載。今年は断熱性能の向上と野菜室の手入れがしやすくなりましたね。

▲三菱電機が2017年8月30日に発売する「置けるスマート大容量 WXシリーズ」。予想実勢価格は左の「MR-WX47LC」(470Lモデル)が33万円前後、中央の「MR-WX52C」(517Lモデル)が34万円前後、右の「MR-WX60C」(600Lモデル)が38万円前後

奈津子:どちらかというとマイナーチェンジという感は拭えませんが、野菜室の底面に抗菌加工を施した新採用の「クリーントレイ」が付きました。野菜の土やカスがこびり付かずにさっと水で洗い流せるので、清潔に保てるのが魅力ですね。

▲野菜室の底面に抗菌加工を施した新採用の「クリーントレイ」が付いた

安蔵:クリーントレイがドリンクを入れる部分にないのは残念ですがね。

奈津子:大根などを置く場合もあるかと思うので、できればそこまでトレイを置いてほしかったですね。でもLEDライトで葉物野菜に光を当て、光合成を促進させるという発想は面白いです。

安蔵:実際にレタスやキャベツの色が鮮やかになったりしますから、この機能はなかなかオススメですよ。

■皮下脂肪の厚さに合わせてコントロールするEMS機器

奈津子:私が7月に発売された製品の中で注目したのがエレコムの「エクリア リーン」でした。

▲エレコムが2017年7月中旬に発売した「エクリア リーン」。本体にゲルパッド1枚が付属する「スターターセット」の実勢価格は6000円前後

安蔵:いわゆる「EMS(Electric Muscle Stimulation)機器」、つまり筋肉を電気で刺激することでトレーニングなどの効果を得られる機器ですね。

奈津子:EMS機器というと男性的なデザインが中心な気がするのですが、こちらは女性らしい見た目でかわいらしいのが魅力です。これならバッグにしのばせておいたり、女友達との旅行に気兼ねなく持っていけるので◎です。しかも軽くて薄いので、会社でのデスクワーク中にこっそり腹筋や太ももなど、人から見えない位置に貼って仕事しながらのトレーニングもできちゃいそうです。

安蔵:内臓脂肪が付きやすい男性に比べて皮下脂肪が付きやすい女性のために、皮膚の厚さに合わせて電気刺激を変える「部位別モード」を搭載していますね。これはコードレスEMS機器としては業界初とのことです。

奈津子:実際に私も約1か月半使い倒しましたが、想像以上の効果を得られました。自宅ではもちろん、カフェでの執筆中や、花火大会を見るための船の上、テレビ局の楽屋、友人の家、あらゆるところで試しました。皮膚に貼る側のゲルパッドの粘着力が強力で、使用時に全くブレずにぴったりと固定してくれました。デザイン性を周りからほめられる回数も多かったですね。

安蔵:EMSはピリピリとした刺激が苦手な人も多いと思いますが、それはどうでした?

奈津子:想像していたよりも電気刺激が「痛くない」点が高ポイントで、使えば使うほど刺激にも慣れていきました。部位別モードの使い方もボタンで設定するだけと簡単なので、すぐに覚えられました。付属のガイドブックに記されているストレッチを並行して進めた結果、腕や太もも、腹筋がみるみるうちに引き締まっていきました。価格的にも割と手軽ですし、これはなかなかいいですよ。

▲「想像していたよりも電気刺激が痛くなかったです」

■「ミノタケ家電」って……?

安蔵:ITサービス事業などを展開するエスキュービズムが「ミノタケ家電」と名付けた低価格家電を発売しました。

▲エスキュービズムが発表した“ミノタケ家電”シリーズ。厚さ3.2cmの超薄型ロボット掃除機「SCC-R05GM」(予想実勢価格1万4800円前後)やポータブルCDプレーヤー「AC-P02」(同5000円前後)などを8月に発売。4合炊きのマイコン式炊飯器も10月頃の発売を予定している

奈津子:私が毎週出演しているFM東京『Skyrocket Company』の「家電で快適! 生活向上委員会」コーナーで、同社の「らくっく」という、スープも作れる真空ジュースミキサーを紹介したことがあります。

安蔵:ほかにも水耕栽培キットなどを販売していましたが、今回はより“裾野”にフォーカスし、低価格エントリーモデルから再出発するそうです。

奈津子:「ミノタケ家電」という造語を作り自称している点がユニークですよね。対語としてあるのは「フンパツ家電」だそうです。私も現在独身ですし、ファミリー向けではない家電に積極的に取り組んでいるメーカーはとても興味深く見ています。ドウシシャや、アイリスオーヤマ、山善などともまた違った、少し異色の存在だと思っています。

安蔵:子供部屋やデスクの上などを掃除できるロボット掃除機、今さらにも思えますが、実は語学学習などでニーズの多いCDプレーヤーなど、大手メーカーにはないラインアップは一定数売れそうですね。

▲「マッピングして掃除するようなハイエンドモデルとは方向性が異なりますが、価格が安いですし、何よりこの薄さは驚きですね」

奈津子:製品へのコストを抑えながら唯一無二の存在になっていくため、設計や機能以外にも「カラーにこだわりぬく」ことを意識したと社長は話していました。確かにロボット掃除機も炊飯器もカラーが割と大胆でスタイリッシュでした。でも個人的には製品の素材にももう少しこだわってくれたら、重要な「色味」がさらに映えそうだなと感じました。

安蔵:らくっくや水耕栽培キットは半歩から一歩先を走ってしまったため、販売に苦戦したとのこと。そういう意味では、メーカーとしてもこれらの製品が“ミノタケ家電”のようですね。ただ、今後の展開にも大いに期待できそうです。

▲「Androidを搭載する業務用の電子黒板も開発中とのこと。50万円前後での発売を予定しているそうです」

 

(取材・文/安蔵靖志 奈津子)

 

あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ〜ンの家電ソムリエ』にも出演中。

 

 

 

 

なつこ/女優・タレント

ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」