スマホの歴史の分岐点となった2007年「iPhoneが生まれた当時」の話

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iPhoneの成り立ちはアンドロイドとどこが違うのか。質問サイト「Quora」に寄せられた疑問に「たったひとつのデバイス:iPhone開発秘話(The One Device: The Secret History of the iPhone)」の著者のブライアン・マーチャントが回答した。

iPhoneとアンドロイドは広い意味では同じ技術とアイデアから生まれている。スマートフォンのルーツはIBMのSimonであり、1994年に発売されたこのデバイスは現在のiPhoneのコンセプトの多くを実現しようとしていた。

iPhoneが他のスマホと明確に違うのは、先進的なハードウェアを驚くべき精度とクオリティで組み合わせ、人々が望ましいと思うインターフェイスに仕上げたことだ。iPhoneのコンセプトを考え出したのはアップルの「Explore New Rich Interactions」というチームで、タッチ式コンピューターを2000年頃から研究していた。

その後ヒューマンインターフェイスを担当するグループに所属していたBas OrdingとImran Chaudhri、そしてGreg Christieらが、指先でタップやズームの操作が可能なマルチタッチ式インターフェイスを考案した。これによりスマホというデバイスのコンセプトがほぼ確立されたと言える。

さらにアップルのRichard WilliamsonやHenri Lamirauxらのエンジニアが、スマートフォンに特化したブラウザの開発に成功。インダストリアルデザインのチームとハードウェア担当者らの共同作業により、見た目も良く機能も充実した端末を作り上げた。

アップルは当時、実績が少なかったマルチタッチというテクノロジーを新デバイスの中心に据える決断をした。当時そういった企業は他になかった。

iPhoneのリリース当初、アンドロイドにはiPhoneが持つ機能のほとんどが搭載されていなかった。2007年1月にスティーブ・ジョブズがiPhoneをお披露目した時、そのエレガントな見た目にアンドロイドのチームは完全に打ちのめされたという。

その頃、アンドロイドのチームが手掛けていたのはプラスチック製のキーボードが付いたブラックベリーのような端末で、iPhoneが発表されると即座に、それは時代遅れの製品になった。彼らはアイデアを出し合うところまで戻り、iPhoneの主要機能の多くを拝借することにした。この流れはアップルとの間に裁判沙汰を招く結果になり、その争いは今日まで続いている。

総じて言えばiPhoneとアンドロイドを構成する基本的コンセプトはかなり似ている。しかも、必要な技術は2000年代半ばに成熟したため、いずれのチームもその時にスマホ業界に参入して正解だったと言える。しかし、ユーザーインターフェイスやブラウザ、デザインの観点ではアップルが大幅にリードしていた。

しかも、アップルは本格的に製品化に取り組む数年前からiPhoneの基礎となるコンセプトについて考え抜いていた。それ故にアップルが現代のスマホを最初に作り上げる企業となり得たのだ。