からだエイジング : 爪水虫の治療法とは? 足の爪が濁っていたら要注意!

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足の爪が白かったり黄色く濁っていたりはしませんか? 足の爪が濁っている原因の一つとして考えられるのが“爪水虫(つめみずむし)”です。爪水虫とはどういった症状で、治療にはどんな方法があるのでしょうか。皮膚疾患に詳しいメンズヘルスクリニック東京の竹中洋史先生に話を聞きました。

 

爪水虫とは? カビの一種が爪に侵入している状態

“爪水虫(爪白癬)”とはカビの一種である白癬菌(はくせんきん)が足の皮膚から爪の中に侵入することで、爪が濁って見えたり、爪自体が分厚くなってきたりします。また爪の下のほうがボロボロになるのも特徴だということです。

「爪水虫は足白癬(いわゆる“水虫”)を患っている人が発症するもので、足の皮膚の白癬が爪に移動して引き起こされます。

爪白癬は足白癬のようにかゆくなったり、ジュクジュクしたりすることはありません。見た目以外に自覚症状はないのですが、白癬はスリッパやバスマットなどを共用することで他人へ感染してしまいます。そのため、他人への感染を防ぐために治療が必要となります。

家庭内に限らず、フィットネスクラブや銭湯などでも感染のリスクがありますから、注意が必要です」(竹中先生)

 

爪水虫の治療法とは?

爪水虫の治療には主に2パターンあるといいます。

「治療に使われるのは、基本的に飲み薬です。ただ最近になって、新しく爪白癬に効果のある塗り薬の治療法もでてきました。

飲み薬にはイトリゾールとラミシールという2種類の薬があり、塗り薬にはクレナフィンとルコナックの2種類の薬があります。基本的には治療に使われるのは飲み薬です」(竹中先生)

竹中先生は原則的に飲み薬を処方しており、飲み薬を飲めない方に限って、塗り薬を処方しているそうです。

 

飲み薬による爪水虫の治療

爪水虫の治療として一般的に使われる飲み薬。

その治療期間やかかる費用、また気になる副作用にはどんなものがあるのでしょうか。  

飲み薬による爪水虫治療にかかる期間

爪水虫を飲み薬で治療する場合、程度によるものの、完治まで約1年かかるといいます。

「イトリゾールを飲む場合には、『1週間内服して3週間休む』を1クールとして、これを3回繰り返します。これをパルス療法と言います。爪の伸びるスピードに合わせてなので、治るのはほんの少しずつです」(竹中先生)

飲み薬による爪水虫治療にかかる費用

「イトリゾールは3クール飲んで、薬代が3万円ほどです。完治する可能性は91.5%です。 飲み薬のもう1つ、ラミシールの場合は飲み方が異なり、毎日の服用を6ヵ月以上必要とします。こちらは6ヵ月飲んで薬代が2.5万円ほどになります。 ラミシールも1年服用してもらって、完治率は75%です」(竹中先生)

実際にはこのほかに、皮膚科での初診料や再診料、定期的な採血にともなう検査代が別途かかるようです。

飲み薬による爪水虫治療、副作用はあるのか

「飲み薬の場合、副作用として肝機能障害がありますので、定期的に採血してその程度を測る必要があります」(竹中先生)

もともと肝機能障害を患っている場合には、そもそも飲み薬は処方されないとのこと。また、イトリゾールもラミシールも併用できない薬が複数ありますので、別の薬を内服中の場合や新たに薬を服用する場合には、医師に確認が必要です。

飲み薬による爪水虫治療の経過

「新たに伸びてきた爪に感染しないように薬を使用するので、爪白癬の進行状況によって異なりますが、だいたい2〜3ヵ月で1ミリ治る、といった程度でしょうか。

爪の奥まで白癬が感染している場合は1年ほどかかりますし、爪の半分程度の感染の場合はその半分ほどの期間で済みます」(竹中先生)

爪白癬が疑わしい場合には、すぐに皮膚科に診てもらうほうが治療も短くて済みそうですね。

塗り薬による爪水虫の治療

肝機能障害のある方など、飲み薬が使えない方には塗り薬という治療手段が用いられます。飲み薬よりも一見お手軽そうな塗り薬ですが、そこには大きな違いがありそうです。

塗り薬による爪水虫治療にかかる期間

塗り薬もまた、飲み薬と同様に治療には1年ほど要するようです。しかし完治の確率が飲み薬と大きく異なります。

「クレナフィンもルコナックも、毎日1回爪全体に塗る必要があります。これを1年続けてもらうと、完全治癒の確率が15%となります。確率だけを見てもらうとわかるように、やはり飲み薬のほうが効果的です」(竹中先生)

塗り薬による爪水虫治療にかかる費用

「薬の料金は、クレナフィンが1本1,770円、ルコナックが1本1,050円、いずれにしても1ヵ月に2〜3本使用します。保険適用の3割負担でこの価格ですから、塗り薬としては高価だといわざるをえません。

飲み薬のほうが効率的に治療できますので、やむをえない状況でないかぎりは飲み薬で治療したほうがよいでしょう」(竹中先生)

塗り薬による爪水虫治療、副作用はあるのか

塗り薬の場合、飲み薬のような肝機能障害の心配はないようですが、接触性皮膚炎(かぶれ)になる可能性があるとのことでした。

 

市販薬による爪水虫の治療は可能か

水虫の薬はドラッグストアでも手に入りますが、爪水虫の場合は治療ができないとのことです。

「爪白癬は足白癬と違い、ドラッグストアで売っているような市販薬では治療ができません。また、症状が出たからといって爪白癬だと決めつけることはできず、必ず検査が必要になります。検査では白癬菌が寄生している部位を採取し、顕微鏡で観察します。そこで白癬菌が見つかれば白癬で、見つからなければ白癬ではなく違う原因があります。その検査を行うのは皮膚科となりますので、爪白癬を疑う場合には信頼できる皮膚科を受診してください」(竹中先生)

市販でラミシールのクリームや液体ローションなどが売られていますが、爪に塗ったところで爪白癬には効果を示さないのだとか。

「ラミシールは飲まなければ効果を発揮しませんので、塗ったところで効果はまったくありません。もちろん足白癬には有効な手段ですから、足白癬であればラミシールの塗り薬をお使いいただけます」(竹中先生)

 

手術による爪水虫の治療

手術という手段をとればすぐに治ってしまいそうなイメージがあるかもしれませんが、手術は行われていないとのことです。

「手術は適用していません。爪白癬においては、飲み薬か塗り薬で徐々に治していくことになります。ただし、爪白癬にほかの爪の病気を合併することがあり、爪が割れてしまったり爪が厚くなったりする病気があります。その場合には手術ではありませんが、爪切りなどで深爪のようにして爪を切ることはあります」(竹中先生)

 

レーザーによる爪水虫の治療

ちまたではレーザーによる爪水虫の治療方法もあるとのことですが、竹中先生によると「一部のクリニックで施術を行っているようである」とのこと。 では、レーザーによる治療とはどういったものなのでしょうか。

レーザーによる爪水虫治療にかかる期間

「レーザーについては、一部の美容クリニックで行っているようです。こちらもやはり、治療目安は1年ほどかかるようですね」(竹中先生)

レーザー治療は皮膚科で行っているものではなく、あくまで美容クリニックでの施術になるとのこと。また、美容クリニックであればどこでも行っている、というわけでもありませんので、施術を行っているかどうかは事前確認が必要です。

レーザーによる爪水虫治療にかかる費用

病院(皮膚科)の場合は3割負担ですが、美容クリニックの場合はそういうわけにもいきません。

「費用については病院の治療とは違って10割負担です。クリニックの指定の料金、つまりは言い値を支払うことになります」(竹中先生)

決まった価格ではないとのことですから、費用についても事前確認しておきたいところです。

レーザーによる爪水虫治療で副作用はあるのか

「レーザー治療では、副作用はほとんどないとうかがっています」(竹中先生)

皮膚科で処方される飲み薬や塗り薬と違い、副作用は特にないとのこと。レーザーに抵抗がなく、副作用を気にされる方にとってはありがたい話かもしれません。

レーザーによる爪水虫治療の経過

レーザー治療も即効果が期待できるわけではなく、薬同様長期戦を覚悟しなければなりません。

「美容クリニックで使用しているYAG(ヤグ)レーザーというレーザーで、1〜2ヵ月に1回のペースで施術していくようです。1回やれば終わりというわけではなく、やはり定期的に通って1年ほど通院の必要があるみたいです」(竹中先生)

 

妊婦の爪水虫の治療方法は? 妊娠中や授乳中に爪水虫になってしまったら

妊婦さんの場合、やはり薬の服用に関して心配になるところです。

「妊娠中や妊娠希望の方、授乳中の場合には飲み薬は飲むことはできません。イトリゾールにおいてはラット・マウスによる催奇形性の報告があり妊娠中は禁忌、ヒトで母乳中へ移行することも報告されているため、授乳中も避けましょう。

ラミシールにおいても妊娠中の安全性は確立しておらず、授乳中にやむをえず使用する場合には授乳を中止する必要があります。塗り薬も同様で安全性は確立していません。飲み薬・塗り薬いずれの場合も、妊娠中や妊娠希望の方、授乳中の方にはその期間を終えてからの使用をおすすめします」(竹中先生)

 

爪水虫は即治療が原則! 同時に感染予防を

爪水虫に感染しやすい人の特徴として、糖尿病を患っている方、また足をあまり洗わない方、ということでした。同居されている方の中に白癬患者がいる場合には、治療を進めると同時に、足ふきマットやスリッパを共用しないことが感染を拡大しないための対策となります。

爪水虫にかかってしまうと、いずれの治療法であっても長いスパンがかかってしまいます。そのため、足白癬を患っている場合には爪に移行しないよう、また他の人へ感染しないように、足白癬を治療することが第一になりそうです。