米で最も気前よくチップを払うのは? 調査で見えた複雑な背景

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米国のレストランのチップの相場は、ここしばらく料金(税込み)の18%程度となっている。朝食なら15%くらいだ。そして、チップに頼って生計を立てているわけではないものの、チップからの収入に大きく助けられているのは、飲食店の従業員や美容師、家事代行やマッサージ師たちだけではない。

インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方によって成り立つ経済、「ギグ・エコノミー」が拡大するなか、配車サービスのウーバーの運転手や、買い物代行サービスのインスタカートの配達員へのチップはどうすべきだろうか。この点も、考えるべき問題になってきている。

あえて言うなら、米国ではレストランで食事をしてもタクシーに乗っても、美容院に行っても、店から示される料金は、客が実際に支払うべき金額ではない。ただ、チップをどれだけ払うかは、完全にその客次第だ。

「出し渋らない」4グループ

チップを気前よく支払うのは、どのような人たちだろうか。クレジットカードに関する情報を提供するクレジットカード・ドットコムの調査によれば、料金の20%(中央値)に当たる金額をチップとして支払っているのは、次の4つのグループに入る人たちだ。

・米北東部の住民
・男性
・共和党支持者
・クレジット/デビットカードで支払う人

一方、女性が支払うチップは同16%、民主党支持者と米南部の住民、現金で支払う客はそれぞれ同15%となっている。

ただし、この結果は同時に複数のグループに入る場合を考慮していない。つまり、民主党支持者は共和党支持者よりチップが少ないかもしれないが、北東部の住民には民主党支持が多い。そして、南部の人たちのチップは料金の15%程度との結果ではあるが、この地域の住民は多くが共和党支持者だ。結果の解釈には、ある程度の幅を持たせるべきだといえる。

全く払わない人も多数

調査の結果からは、チップを全く支払わない人が驚くほど多いことも分かった。ホテルの宿泊客の3分の1は、客室係にチップを払っていない。コーヒーショップでバリスタにチップを払わない人も3割ほどだ。また、美容師や理容師にチップを払わない人も12%いる。

ただ、女性は男性に比べてチップを払わない傾向がある一方で、こうした仕事に就いている人たちにチップを支払っている人の大半は女性だという。

レストランでは、客の5人に1人が全くチップを支払っていない(あるいは払わない場合がある)。色々な場所で支払えば、チップも金額がかさむ。賃金が伸び悩み、一方で家賃は上昇、学生ローンの返済も抱えるという人たちは給料をもらっても手元に残る金額が少なく、チップを払いたくないと思うのも当然だろう。

個人向け融資サービスを専門とするカナダのレンドフル・フィナンシャルによると、カナダのミレニアル世代が30年間にわたって同国で平均とされる料金の18%に当たるチップを払い続ければ、給料のおよそ2年分がチップに使われたことになるという。

そして、クレジットカード・ドットコムによれば、米国のミレニアル世代がレストランで払うチップは料金の16%で、ベビーブーマー世代の20%よりも少なくなっている。

今回の調査結果が明らかにしたことがあるとすれば、それはチップに関する価値観は人によって異なるということだ。サービス業で働いている、あるいは働いた経験がある人は、チップを多めにチップを払う。

チップについて親からどう教えらえたかも大きく影響する。サービスが不満なら一切出さないという人もいれば、少しは払うべきと考える人もいる。さらに、チップをサービス提供者へのボーナスと考えるか、または払わなければならない手数料と捉えるかによって、チップに対する意識は大幅に異なる。