月収13万、ネットカフェに寝泊りする日雇い労働者・30歳「こんな生活続けたくない…」

写真拡大

これまであらゆる形態の貧困問題を見てきたSPA!だが、今回は貧困を生む“街”の構造を解き明かすべく取材を敢行。なぜ特定の街で貧困が生まれるのか? そこから脱することは可能なのか? 住民の声とともに見ていきたい。

◆“新たなドヤ街”が都心の外縁部に出現

 労働者に日雇いの仕事を斡旋する「寄せ場」、日雇い労働者のための簡易宿泊施設が立ち並ぶ「ドヤ街」。過去の遺物のように思われがちなこれら地域だが、今も形を変えつつ残り続けているという。

 新宿駅近辺のネットカフェで出会ったのは田島明さん(仮名・30歳)。彼もすでに3か月以上家のない生活を続けている。

「友人とルームシェアをして家賃を折半していたのですが、彼が地元へ帰りひとり暮らしに。家賃の負担ができず、退去して新宿駅徒歩15分で月3万円のシェアハウスに転がり込みました。共用スペース以外はカプセルホテルの一室に近い寝床があるのみ。ただ、ほかの住民から嫌がらせを受けるようになり、2か月で退去。それ以降はネットカフェ生活です。仕事はずっと食品倉庫で働いています。同僚や上司には、家がないことがバレてないと思うんですが……。親を頼ろうにも、母が病気の自宅療養中で僕どころではありません」

 仕事が終わるのは20時頃。その後、ナイトパックが適用される22〜23時まで公園などで時間を潰し、今夜の寝床に入る。

「シェアハウス時代、自分の置かれた状況や寂しさで発狂しそうになっていましたが、今はこの生活にも慣れました。いつまでもこんな生活を続けたくないけど……少しずつ貯金するしかないですね」

 田島さんの月収は約13万円。そこから日々の宿泊費や通信費、生活費を差し引くと手元には毎月1万円が残るかどうかだという。NPO法人・もやい理事長の大西 連氏はこう語る。

「住まいを借りられるよう保証人になったり大家と交渉するなどの支援を我々も行っているのですが、こうした貧困は目に見えづらく、こちら側から積極的にサポートの声をかけにくいのが現状なんです」

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1374051

 全労働人口における非正規雇用の割合は4割を超えたともいわれる昨今。今後も増加が続けば、それに比例するように“新たなドヤ街”が都心を取り巻くように増え続けていく可能性は高いだろう。

【大西 連氏】
もやい理事長。社会活動家。NPO法人「自立生活サポートセンターもやい」の理事長を務め、生活困窮者への支援のほか現場の声の発信に注力する

― [新型貧困を生む街]潜入ルポ ―