誰もが叶えたい夢を胸に生きていると思いますが、ときには心が折れて落ち込んだり、諦めそうになってしまったりすることもありますよね? そこで、そんな気持ちをグッと後押ししてくれるオススメのアニメ映画『フェリシーと夢のトウシューズ』をご紹介します。今回は、情熱と勇気で夢に立ち向かう主人公に新たな命を吹き込んだある方に、その魅力をうかがってきました。それは……。

日本語の吹替版を務めた土屋太鳳さん!

【映画、ときどき私】 vol. 105

2017年は4本の主演作が公開されるなど、若手女優のなかでも大躍進中の土屋さんですが、本作では洋画アニメの吹き替えに初挑戦するだけでなく、主題歌の作詞から歌唱に至るまで、とにかくチャレンジの連続。そこで、今回感じた思いや仕事の原動力などについて、いろいろと語ってもらいました。

本作は、11歳の少女フェリシーが困難な状況にも関わらず、バレリーナになる夢を追い求めていく姿を描いた物語。

オファーをもらったときのお気持ちは?

土屋さん 本当にうれしかったです。フェリシーは私よりも年下ですけど、その頃の気持ちに共感するというよりは、いまの自分がフェリシーに共感しました。体を使って何かを表現したり、お芝居をしたりするときに感じてきたことをフェリシーの人生と重ねていましたし、フェリシーと向き合っている時間は喜びでした。

声の吹き替えは普段のお芝居とは違うと思いますが、苦労したことは?

土屋さん 日本のアニメでは一度やらせていただいていますけど、海外のアニメは日本の作品とは違って、独特なリズム感があるんですよね。なので、アクセントとかがすごく難しく、最初は打ちのめされてしまいました(笑)。でも、そういう不安や迷いを現場のスタッフさんや演出の方が喜びに変えてくださいましたし、声をあてながら、フェリシーからパワーをもらっていたので、すごくいい作品と役に出会えたなと思っています。

弟さんが声優をされているそうですが、何かアドバイスをもらいましたか?

土屋さん もちろん、弟にも「どうすればいいんだろう?」と相談しました。弟もちょうど同じときに、ダンスのアニメ作品の練習を私の家でしていたので、「2人でがんばろう!」って感じでやっていました。

フェリシーは何よりも踊ることが大好きな少女ということもあり、ダンサーとしても活躍している土屋さんと重なるところも多いはず。

土屋さんが子供の頃に踊りを始めたきっかけは?

土屋さん 私は日本舞踊とクラシックバレエを3歳から習い始めたんですけど、それは姉が先に習っていたからで、最初は踊りたいというのはあまりなかったんです。

でも、それから高校で創作ダンス部に出会って、なぜだかわからないんですけどすごく惹かれて、「この部活に絶対入りたい」と思ったんです。そのときに先生が「学校というのは、部活と勉強を両立するところなので、芸能活動と勉強とダンスも両立できるはずです」と言ってくださったおかげで3年間やらせていただけて、そこから気持ちが変わったと思います。

今回は作詞と主題歌にも初挑戦されましたが、いかがでしたか?

土屋さん まずは「私が歌うの!?」という驚きが大きかったです(笑)。というのも、私は16歳くらいまでは大きな声が全然出なくて、舌小帯という舌の裏を切る手術をしてから少しずつ声が出るようになったので、声を出すためのボイトレをずっとしていたんです。

それが、今回は歌うためのボイトレをさせていただけたので、まずはそれがすごくうれしかったです。この作品は、フェリシーが夢をつかむ物語でもありますが、うまく声を出せなかった私が歌うことでも、夢を叶える瞬間を感じていただけるのではないかなというふうに思いました。

実際にご自分で聞いてみての感想は?

土屋さん エンドロールで流れるのかと思うと動揺してしまって、試写を観させていただいたときには、恥ずかしくてちょっと椅子からお尻が浮きました(笑)。ただ、今回すごくこだわったのは、自分の言葉を歌詞にするということ。自分自身と重ならない歌詞を歌うのであれば、私が歌う必要はなくて、他の方に歌っていただいたほうが素晴らしいかなと思うんです。なので、今回は自分の言葉を歌詞にして、どう歌うかではなくて、何を歌うかということを大事にしたかったというのはありました。

では、作詞に込めた思いがあれば教えてください。

土屋さん ダンスに限らず、夢を見つけることというのは生きることに繋がると思うので、夢を見失うことは自分自身を見失うことよりも辛いことなのかなというふうに感じています。

だから、オーディションで落ちたときの挫折感であったり、愛情を感じるアドバイスをもらっても素直に受け入れないときの感情だったり、フェリシーを通して得た共感や、自分がいままで生きてきたなかで得た実感、それから応援して下さる方々のエールというすべてを込めて、言葉としてつづらせてもらいました。そこは一番伝えたいことですね。

土屋さんは夢を実現させたひとりですが、原動力になったものは何ですか?

土屋さん いまでも実感がなくて、信じられないんです。だから、たまに目を開けたら高校生に戻ってるんじゃないかなとか思うくらい(笑)。でも、こうして伝えられる立場にいるのであれば、映像やSNSを通して、新しい感情を全力で届けられたらいいなと思っています。

なので、いま一番パワーになっているのは、見てくださっている方々からの感想ですね。やっているときは、こうしたほうがよかったかなとか、夜になるとぐるぐる頭の中を回って、時間を費やしてしまうので、なるべくそういう方々の声を聞いて、パワーをもらうようにしています。

フェリシー同様に、土屋さんも溢れるような明るさがすごく魅力だと思いますが、何か秘訣はありますか?

土屋さん まずは食べます! とくにお肉を食べれば元気になりますね(笑)。あとは、嫌なことがあっても、忘れずに活かすように心がけています。辛かったことを逆にパワーにしてエネルギーに変えたいので、そうやってプラスに持って行くようにしようというのは、最近すごく考えていることなんです。

あとは、朝ドラをしているときに、「迷わなければ迷路から出れない」という言葉をくださった方がいて、そのときに「迷っていいんだ」って思ってからは、「とことん迷おう!」って思うようにもなりましたね。

なかなかやりたいことができずに悩んでいる女子も多いので、一歩踏み出すためのアドバイスをお願いします!

土屋さん 怖いですけど、新しいことに挑戦できること自体が幸せなことですよね。でも、そうやって怖いからいいんだろうなとも思います。新しいことって扉が重いんですけど、その先にはちょっと違う呼吸をできる自分がいると思うんです。私もその呼吸ができるようになるために、がんばっているところです。だから、私もみなさんと一緒に探したいなって思っています。

私の場合、「代わりはいくらでもいるんだよな」って思ったら、「絶対に自分がやりたい!」と思っているので、できないなんて言ってられないんですよね。舞台のワークショップに参加したときも、呼吸を意識して、スポンジみたいになろうと思っていたところです。最近、やっと自分のことを女優と言えるようにもなったので、大変ですけど、そういう立場に立てるのであれば、その場所を大事にして、少しでも勇気や元気とかをみなさんに与えられたらいいなと思います。

最後に、この夏にしたいことがあれば教えてください。

土屋さん 夏祭りとかで、浴衣を着たいです。あとはお酒に合わせた料理を作ってみたいかな。レパートリーは少ないんですけど、料理は好きなんです。ワインに合わせたおつまみとかを「冷蔵庫にあったもので作りました」って言えるようになれるのを目指しています(笑)!

インタビューを終えてみて……。

とにかく笑顔がステキで、すべてに全力で取り組んでいる姿は、まぶしく見えてしまうほど。幅広い層から愛される女子として、ぜひお手本にしたいと思っているところです。日本語吹替版はもちろんですが、土屋さんの思いの詰まった主題歌にもぜひ注目してみてください。

誰もが試練を乗り越える力を持っている!

いくつになっても、夢を持つことで人は強くなれるし、夢は人を輝かせてくれるもの。経験を重ねると、「どうせ夢なんて叶わない」と勝手に決めつけてしまうこともあるけれど、まずは夢に向かって突き進むことの大切さを思い出させてくれるはずです。自分で自分の可能性を潰さずに、まずは自分自身を信じることから一歩踏み出してみては?

ストーリー

踊ることが大好きな11歳の少女フェリシー。フランス・ブルターニュ地方の施設で育ったフェリシーは、パリのオペラ座でバレリーナになることを夢見ていた。そんなある日、幼なじみのヴィクターと施設を抜け出して、パリへと向かうことに。オペラ座にたどり着いたフェリシーは、なんとかバレエ学校に入り込むことに成功するが、そこで待ち受けていたのは猛特訓の日々。しかも、オーディションを勝ち抜いて、舞台に立てるのはたった一人だけ。はたして、フェリシーはこの難関を乗り越えることができるのか……。

思わず踊りたくなる予告編はこちら!

作品情報

『フェリシーと夢のトウシューズ』8月12日(土)、新宿ピカデリーほかにて全国公開配給:キノフィルムズ 2016 MITICO - GAUMONT - M6 FILMS - PCF BALLERINA LE FILM

スタイリスト:KOSEI MATSUDA (SIGNO)ヘアメイク:永瀬多壱(VANITES)

写真・土佐 麻理子(土屋太鳳)