浦和OB水内猛氏「シャペコエンセ戦の経験は、選手たちにとって大きな財産になる」

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8月15日(火)に、埼玉スタジアム2002で『スルガ銀行チャンピオンシップ2017』が開催される。JリーグYBCルヴァンカップ2016で優勝した浦和レッズと、コパ・スダメリカーナ2016で優勝したシャペコエンセが対戦。浦和OBの水内猛さんに見どころを聞いた。

◆世界中のサッカーファミリーにとって、悲しい出来事

――シャペコエンセは1973年に創設され、2014年にブラジル1部リーグ・セリエAに昇格しています。そして去年の11月28日、コパ・スダメリカーナの決勝戦1stレグの開催地に向かう途中、悲しい飛行機事故が起こりました。

水内猛 シャペコエンセというチームは、昨年あった飛行機事故で初めて知りました。飛行機が墜落すること自体も少なくなってきた時代に、墜落した飛行機にサッカーチームのほぼ全員が搭乗していたというのは、非常にショッキングでした。埼玉スタジアムでも、チャンピオンシップ決勝第2戦の前に黙祷を捧げましたが、世界中のサッカーファミリーにとって、非常に悲しい出来事だったと感じています。

――ブラジルのサッカー関係者などと、その件について話をされたりしましたか?
水内猛 あるイベントで元ブラジル代表の選手が来日する予定でしたが、事故後だったこともあって実際は来なかったんですよ。僕もイベントに出演予定だったので主催者側に話を聞いたら、その選手は空港まで行ったけれど「やっぱり飛行機には恐ろしくて乗れない」ということで、来られなかったそうです。

――ブラジルの方たちにとっては、身近なところでの出来事だったので、衝撃も大きかったんですね。
水内猛 ブラジルで仕事をしている後輩からも、その頃はブラジルの人たちは飛行機に乗りたがらなかったと聞きました。例えばアメリカに行く仕事があったとしても、「もう少し時間が欲しい」と断られていたそうです。仕事であっても「行きたくない」というのは、日本人にはあまりない感覚なのかもしれませんが、家族や自分のことを大切にするブラジルの人たちにとっては当然のことなのかもしれないですね。僕がニュースを聞いたときも怖いと感じましたから、家族はもちろん友人や知人、地元の人たちにとっては、悲しみや恐怖はさらに強かっただろうと思います。

――チームをゼロから立て直すしかなかったシャペコエンセですが、今年最初の州の選手権では、2連覇。コパ・リベルタドーレスでは1次リーグで惜しくも敗退しましたが、奮闘しています。ブラジルの全国選手権では、クラブ創設以来初めてとなる首位に立つこともありました。
水内猛 他のチームとは、背負っているものも違います。地元の人たちだけでなく、世界中の人たちも応援している。昨年までの土台となった選手はいなくなってしまったけれど、歴史が割と新しいクラブでも、これまで積み上げてきたものもあるでしょうから、チームとして引き出せる力も違ってきているだろうと思います。

◆レッズにとっては珍しいブラジルのチームとの対戦

――今回のスルガ銀行チャンピオンシップへの出場は、浦和レッズは初めてです。
水内猛 浦和レッズのファン・サポーターにとっても、あまりなじみのない大会なのではないかと思います。レッズはこれまでブラジルのチームとあまり対戦していないですし。監督もヨーロッパの方が多かったですから。でも、だからこそ、「どんな選手がいるんだろう」「どんなチームなんだろう」という新鮮な気持ちでワクワクして観戦することができますよね。僕自身も、とても楽しみにしています。

――浦和レッズは95年にブラジルのフラメンゴと対戦していますが、水内さんもその試合に出場しています。
水内猛 途中出場でしたが、出ましたね。ロマーリオのことは、印象深いです。全然動かないんですけど、一瞬で抜いていくスピードがとても速かった。世界のレベルを感じましたね。Jリーグにもブラジル人選手はたくさんいますし、ACLでも海外のチームと試合をする機会はありますが、ブラジルのチームとの対戦は滅多にない機会ですから、今回の試合も大事にしたいですね。