アトレティコは経済的に最も効率的なクラブ…急成長の要因は偉大な指揮官に

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 アトレティコ・マドリードはスポーツ面だけでなく経済面でも急成長を遂げているようだ。スペイン紙『マルカ』が9日に報じている。

 先月発表された最新のUEFAクラブランキングでバルセロナとバイエルンを抜いてクラブ史上初の2位に浮上したアトレティコ・マドリード。2013−14シーズンには18年ぶりにスペイン王者に輝いたが、同紙によると、この成功を一時的なものと見るむきも多かったという。しかしアトレティコ・マドリードはヨーロッパで確かな地位を築いている。

 同紙によると、謙虚なディエゴ・シメオネ監督は常に「我々のライバルはバレンシアやセビージャだ」と語ったいたそうだが、実際には彼らのライバルはレアル・マドリードやバルセロナであり、スペイン2強に割って入ろうかという勢いである。ほとんどのクラブが組織の財政規模に見合った順位に収まっているが、このアトレティコ・マドリードの躍進は監督の手腕によるところが大きい。もちろんスタッフや選手たちが限界を押し上げるような素晴らしいパフォーマンスを見せたことも重要だ、と同紙は分析している。

 実のところ、アトレティコ・マドリードは毎年のようにスター選手を引き抜かれている。ラダメル・ファルカオ、ジエゴ・コスタ、アルダ・トゥランといった主力攻撃陣や、レンタルバックではあるが守護神ティボー・クルトワの退団などが相次いでも崩れることはなかった。それどころか昨シーズンもリーガで3位、カップ戦とチャンピオンズリーグ(CL)では準決勝進出と、“中庸”の財政規模のクラブにしてはハイレベルの結果を残している、同紙は評価した。

 これは数字にも表れている。同紙が収集したデータによると、アトレティコ・マドリードの15−16シーズンの収益は約2億2900万ユーロ(約297億円)、実にネイマール1人分。これはヨーロッパのクラブで13位の規模だが、アトレティコ・マドリードはここ4シーズンのCLで2回の準優勝、1度のベスト4を記録している。参考までに、同データによると話題のパリ・サンジェルマンは約5億2100万ユーロ(約677億円)、レアル・マドリードは約6億2000万ユーロ(約805億円)と2倍以上の収益差があるという。

 アトレティコ・マドリードの経済的な効率性を示す最も説得力のある統計はUEFAクラブランキングにあるという。ランキングのポイントを、収益1ユーロ当たりでどれだけ稼いだか、というものを同紙が算出。そのデータによると、アトレティコ・マドリードは1ユーロ当たり585ポイントを獲得。トップ20クラブの平均が233ポイントであることを考えると突出した数字であると言える。

 さらに“シメオネ以前”と比べて収益は倍増。10−11シーズンの収益は約1億ユーロ、これがシメオネ監督がシーズン途中に就任した11−12シーズンから右肩上がりを始め、13−14シーズンには前年比5000万ユーロ以上の増加を記録。その後も上がり続け、15−16シーズンに約2億2900万ユーロを達成した。この結果アトレティコ・マドリードはミラン、インテル、ローマらの収益をごぼう抜き。“シメオネ以前”には21クラブいたアトレティコ・マドリードより収益の多いクラブが、15−16シーズン時点で12クラブとなっている。

 トップに長く居れば居るほど、“メガクラブ”と呼ばれ、仲間入りするチャンスが増す。今シーズンから使用される新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノへの投資はチケット売り上げの増加だけでなく、新たなファンの獲得にも寄与すると予測した同紙。新たな本拠地とCL上位の常連となったことで、もはやより強いクラブへの中継地点となる“ステップアップクラブ”ではなくなったと同紙は主張している。