運転開始の初日、東武鬼怒川線・鬼怒川温泉駅からの出発に臨むSL「大樹」。多くのファンらが見守る中「祝開業」の看板がつけられた=10日午後、栃木県日光市(宮崎瑞穂撮影)

写真拡大 (全3枚)

 東武鉄道は10日、栃木県日光市の鬼怒川線で蒸気機関車(SL)の運行を始めた。

 同社にとって51年ぶりの復活運行。記念の出発式典が下今市駅(同市今市)で開かれた後、関係者を乗せた祝賀列車が鬼怒川温泉駅(同市鬼怒川温泉大原)へ出発。鬼怒川温泉駅では営業第1号となる折り返しの列車に満席の約200人の乗客が乗り込み、下今市駅に向かった。

 SLは「大樹(たいじゅ)」と名付けられ、下今市−鬼怒川温泉間(12.4キロ)で土日や祝日を中心に運行。7月に新設された東武ワールドスクウェア駅(同市小佐越)にも停車する。

 鬼怒川温泉駅では駅前広場に設置された転車台でSLが方向転換。大勢の観光客や地域住民らが見守り、汽笛の音に拍手がわき、ホームへ戻るSLに手を振って歓迎していた。一番列車に乗り込んだ横浜市の男性会社員(39)は「子供が電車が好きなので、夏休みに合わせて家族で来た。子供は乗る前、転車台で初めてSLを見て、大きな音に驚いていた」と話してた。

 東武鉄道はJR北海道から機関車C11形207号機を借り受けたほか、各地の鉄道会社から客車や転車台などを譲り受け、整備を進めてきた。東武鉄道は昭和41年にSLを廃止したが、東日本大震災後の風評被害や平成27年9月の東日本豪雨で一時、観光客が落ち込んだ鬼怒川温泉周辺の誘客につながるとしてSL復活運行を決定。現在、SLを運行している鉄道会社で社員研修を実施し、運行や整備に関わる技術を習得させて準備を進めていた。