(左から)荒木啓子ディレクター、
李相日監督、山戸結希監督、小田学監督

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 9月16日から開催の「第39回PFF ぴあフィルムフェスティバル」記者会見が8月10日東京国立近代美術館フィルムセンターであり、コンペティション部門が映画監督の登竜門として知られる同映画祭のラインナップ、見どころを荒木啓子ディレクターが解説した。

 「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに、自主映画の面白さを広く伝えるため1977年にスタートした映画祭で、黒沢清、中村義洋、園子温ら数多くの監督を輩出。コンペティション部門「PPFアワード2017」では548本の応募作の中から、厳正な審査を経て選出された17作品が上映され、映画祭最終日の29日に表彰式が行われる。

 今年は、「映画の闘い/闘いの映画」と題し、オープニング作品として寺山修司原作の前・後編計304分の「あゝ荒野」(岸善幸監督)、228分のベネチア映画祭金獅子賞受賞作「立ち去った女」(ラブ・ディアス監督)をはじめ、「チリの闘い」(パトリシオ・グスマン監督)、「仁義なき戦い」(深作欣二監督)シリーズ4本、「悲情城市」(ホウ・シャオシェン監督)、「クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」(エドワード・ヤン監督)など、1プログラムで上映時間3時間を超える長編作品を特集。荒木ディレクターは「映画祭でしかできないプログラムをやることが使命。『仁義なき戦い』は、脚本の笠原和夫さん、深作監督から、戦争時代の青春時代を映画にしたいという決意を聞いていた。女性や若い方に見てもらいたい」と語った。

 そのほか、生誕100年を迎えるジャン=ピエール・メルビル監督の特集、矢口史靖監督と鈴木卓爾監督による短編集「ワンピース」DVD発売記念企画、山戸結希監督が塩田明彦監督に映画術を尋ね、原恵一監督と橋口亮輔監督が木下恵介監督を語る上映とトークのプログラム「映画のコツ」、第24回PFFスカラシップ作品「サイモン&タダタカシ」(小田学監督)お披露目上映、ロカルノ映画祭出品の「枝葉のこと」(二ノ宮隆太郎監督)特別上映が予定されている。

 映画祭の目玉となるコンペティション部門の審査員を務める李相日監督は、「助監督として働き出した頃にPFFで入選し、そこから自分の人生が変化するような期待があった」と当時を回想。そして、「自主映画は作られた人の熱意、人間性、人生観すべてが投影されているので、ジャッジをするのは難しい。そして、誰かの人生を変える可能性があり、責任の重い立場。しかし、僕もPFFで世に出たひとりでもあるので、別の形でお返しする時期が来たと思って(審査員を)お引き受けしました」とコメントした。

 「第39回PFF ぴあフィルムフェスティバル」は9月16〜29日東京国立近代美術館フィルムセンターで開催、上映作品やスケジュールなどの詳細は、公式サイト(http://pff.jp/)で告知する。