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■もくじ

どんなクルマ?
ーアトラス 2014年以来の7人乗りSUV

どんな感じ?
ーアトラスのサイズ トゥアレグと比較
ー7座の室内、居住性は? 燃費も検証
ー乗り心地はアメリカン ただし静か

「買い」か?
ーアメリカならば買い ディーゼル復活望む

■どんなクルマ?

アトラス 2014年以来の7人乗りSUV

アメリカというビックマーケットへの再挑戦に向けて、フォルクスワーゲンが準備したのが、フォード・エクスプローラーやホンダ・パイロットなどがライバルとなる、3列シートのSUV「アトラス」。

フォルクスワーゲンは、ダッジ・グランド・キャラバンに似たルータンを2014年に販売終了して以降、アメリカでは7シーターのモデルを販売してこなかった。

アトラスは2013年のデトロイト・モーターショーで発表されたコンセプトカー「クロスブルー」の市販モデルとなる。

中国でも販売はされているものの、本来はミドルサイズSUVとして、アメリカのファミリー層に向けてデザインされたモデルだ。

フォルクスワーゲンが新たに増築したテネシー州の工場で、パサートと共に生産されている。

このアトラスは、フォルクスワーゲンが世界共通で展開する柔軟なボディアーキテクチャ「MQB」をベースにしたモデルの中で、ボディサイズは最大。

フォルクスワーゲンの電気自動車プロジェクト「I.D. コンセプト」が本格始動するまで、大食漢のV6ガソリンエンジンを搭載したフルサイズSUVに、ディーゼルエンジンの偽装問題からの再出発を任されているというのは、皮肉なものだ。

■どんな感じ?

アトラスのサイズ トゥアレグと比較

フォルクスワーゲンが仕上げたこのアトラス、アメリカのSUVセグメントの中では十分に大きく、全長は5036mmで、トゥアレグと比べると全長は+241mm、全幅は+49mmとなる。

その大きなボディサイズと長いホイールベースを活かし、室内も十分に広い。3列目シートへは、2列目シートを前方へスライドさせてアクセスするが、大人2人でも快適に座れる。ただその場合、7人分の荷物を積むのには苦労するかもしれないが。

今回テストしたエグゼクライン仕様はカナダではトップグレードとなり、アメリカで販売されるSELプレミアム仕様とほぼ同等だ。

木目調のドア装飾パネルはプレミアムな雰囲気とは言い難いが、インテリアの装備は充実している。

・フェンダーパナソニック社の高音質な12スピーカーオーディオ
・アレンジが可能なモニター式のインストゥルメントパネル
に加えて、高解像度8インチのタッチスクリーン式のナビシステムは、Appleとアンドロイドのスマートフォンとの連携が可能だ。

7座の室内、居住性は? 燃費も検証

座席はゆったりとしているが、標準ではベンチシートとなる2列目シートが、この車両ではバケット形状でオプションのキャプテンシートに説明もなく置き換わっていた。2列目のシートベルトに高さ調整機能が付いていないのは残念だ。

今回の車両に搭載されているエンジンは、フォルクスワーゲンが長年使用している狭角のV6で、8速オートマティックを介して4輪を駆動する。数多くのドライブモードが備わり、オンロードやオフロードの様々なシーンで役に立つだろう。

280psを発生する3.6ℓエンジンは静かに滑らかに回り、高速道路への合流などでも十分に余裕がある。一方で8.1km/ℓという燃費は、ホンダ・パイロットが積む新しいエンジンの9.2km/ℓまでには届いていない。

郊外で日常的に使う場合なら、238psを発生する2.0ℓTSIエンジンを選択したほうが懸命かもしれない。

しかし大型のエンジンなら、オーナーへ余裕のある牽引力を提供してくれる。牽引ヒッチが標準で装備されており、牽引能力2270kgという数字は、ホンダ・パイロットやフォード・エクスプローラーと同等のものだ。

乗り心地はどうだろう?

乗り心地はアメリカン ただし静か

乗り心地は良くない。いかにもアメ車的で、やわらかいスプリングと減衰力の弱いサスペンションのおかげで、道路のうねりを収束させるために数回の上下動が伴う。

更に、小さな穴やマンホールなどの凹凸も拾うため、期待しているほどの洗練性には至っていない。

18インチが標準となるが、今回の車両が履いていたエグゼクラインの重たい20インチアルミホイールと扁平タイヤが、それを助長させている可能性は高い。

一方、ボディロールやピッチングは、走行音と同様にしっかり制御されている感じがある。スポーツモード以外なら電動ステアリングは軽く、感覚は希薄ながら操舵性は正確だ。

■「買い」か?

アメリカならば買い ディーゼル復活望む

アトラスはアメリカのユーザーに訴求力のある魅力をふんだんに備えている。

余裕のあるボディサイズに目を引くスタイリング、優れた実用性、最高の安全評価、そして競争力のある価格。完成度も高くドライブフィールも妥当だ。

エクスプローラーやパイロット、パスファインダー、4ランナーなどの競合車種からひとびとを惹きつけられるかどうかは、ディーゼルエンジンの偽装問題によって損なわれてしまったフォルクスワーゲンのブランドイメージにも依存している。

ただ、アメリカの自動車ユーザーの標準的な使用期間と走行距離となる、6年間/11万6000kmもの補償(カナダの場合は4年間/8万km)は、その再構築に貢献する要素にはなるだろう。

フォルクスワーゲン・アトラス3.6 V6エグゼクライン

■価格 £31,865(456万円) 
■全長×全幅×全高 5036×1989×1769mm 
■最高速度 - 
■0-100km/h加速 7.9秒 
■燃費 8.1km/ℓ 
■CO2排出量 282g/km 
■乾燥重量 2024kg 
■エンジン V型6気筒3597ccガソリン 
■最高出力 280ps/6200rpm 
■最大トルク 36.7kg-m/1750rpm 
■ギアボックス 8速オートマティック