沖縄の盛夏の野菜の顔ぶれ #根本きこの島ごはん

写真拡大 (全5枚)

「もしもし、今週の野菜の注文聞きますー」と、今帰仁の野菜の生産者である、片岡さんから毎週水曜日に電話が入る。「ウンチェーバー(空芯菜)、なすび、サラダナーベラー(へちま)、つるむらさき、モロヘイヤ、赤しそ、青しそ、島かぼちゃ、以上になりますー」「先週、赤紫蘇たくさんもらったので今回はなしで。後は全部ひとつずつください」と、告げ、「じゃ、明日!」と電話は終わる。片岡さんは京都の方なので、前出の会話は関西のイントネーションだ。
「なす」も歴然として「なすび」であって、写真のように、白&紫&翡翠色の3色が1本ずつ入っている。そして、このラインナップはしばらく続く(だろう)。これが、沖縄の盛夏の野菜の顔ぶれ。
ウンチェーバーは、潰した島にんにくと、エノキダケかしめじを入れてさっと炒める。味付けはナンプラー、そして隠し味の味噌と粗糖を少々。これがうちの定番中の定番。ときに、油が鶏皮を炒めたときに出る、鶏油(チーユ)になったりするけれど、基本の味付けは変わらない。たまにたくさんのウンチェーバーをもらったときなどは、しっかりと醤油を効かせ、鷹の爪も入れてじっくり炒め煮する。すると、まるでわらびのような山菜的な風味になり、炒り白胡麻をぱらり。ごはんの友の出来上がり。
つるむらさきは、お浸しの他にオリーブオイルとにんにくで炒めるのもいい。この肉厚の野菜は日持ちがするので、「もう一品欲しいな」というときに冷蔵庫にあると、とても重宝する。
モロヘイヤは茹でてから細かく叩いてスープの具に。冷汁にしてもおいしく、オクラと並ぶねばねば食材なので、喉越しがたまらない。
ナーベラーは、去年くらいから突然その美味しさに目覚めてしまった。初めて食べたときは、なんとも形容しがたい泥臭さというか土臭さが気になって、「うーん」と皿にのったへちまを前にだまりこんでしまった。それがどうしたことか。ある日、普段はノーマークのへちまに目が行き、「もう一度、食べてみようかな」と気まぐれに思ったのだった。そんなへちまビギナーには「ナーベラーンブシー」に限る。味噌が独特の匂いを緩和してくれる。沖縄では夏の代表的なおかずのひとつである、これを作ってみたら、なんと!「うまいっ」と、言い切ってしまった。人間、何があるかわからない。ナーベラーの皮をピーラーでむき、1cmくらいの輪切りにして料理すると、皮のパッツンとした張り感と内側のとろーり感のコントラストがたまらなく美味しい。熱々のやけどしそうなトロトロもいいけれど、マリネにして冷たくしてもいい。「ナーベラーが好きか否か」は、周りでも分かれるところ。うちの子どもたちは、今でも「いらない」と言うけれど、内心は「そのうち雷に打たれたように好きになるかもよー」と踏んでいる。
写真はナーベラーのスパゲッテイ。大葉を入れて爽やかに。「根本きこの島ごはん」をもっと読む>>