記者会見に臨むジャパンディスプレイの東入来信博会長兼CEO=9日午後、東京・新橋(飯田英男撮影)

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 ジャパンディスプレイ(JDI)が、2年連続で大規模なリストラに追い込まれた。

 主力のスマートフォン向けパネルでは、液晶から次世代パネルの有機ELへと急速に転換が進む。世界の潮流を読み誤ったJDIが「量産にこぎつけるには時間がかかる」(東入来信博会長)見通しだ。JDIは業務提携や外部の出資受け入れなど、“外資傘下”での立て直しを迫られる可能性が高い。

 「負のスパイラル経営からの脱却を図る」

 9日に会見した東入来会長は、こう強調した。同社の赤字体質の原因には、液晶パネルの需要のピークに合わせた大型設備投資がある。

 スマホ向けパネルは需要変動の波が大きく、周期的にスマホ販売が鈍化すると、とたんに投資負担が収益の重しとなる。リストラなどコスト削減策も、「目先の利益を気にして抜本的な削減ができなかった」(東入来会長)。その結果、先行する韓国や中国勢と競争力の差が広がり、業績が悪化する悪循環に陥った。

 JDIの再建策は、大規模なリストラで過剰な生産能力を整理した上で、有機ELや車載用パネルなど成長分野に注力する選択と集中が柱だ。東入来会長は主力のスマホ向けパネルについて「有機ELなくして将来はない」と強調した。

 この戦略の鍵を握るのは、外部企業との提携だ。中小型パネル業界で、スマホ向けの有機ELパネルを安定供給できるのは現時点で韓国サムスン電子のみにとどまる。来年以降、韓国LGディスプレーや中国勢が続くとみられる。

 一方で、JDIの有機ELはまだ試作段階にある。東入来会長は「量産には時間がかかり、平成31年になる」と明かす。しかも量産には1千億円単位の投資が必要だ。業績不振が続くJDIでは、量産投資の資金を捻出するのも容易ではない。

 このため、JDIは29年度中に海外企業との提携にめどをつける方針を認めた。候補にはシャープを傘下に置く台湾の鴻海精密工業のほか、中国のパネルメーカーの天馬微電子や京東方科技集団などが浮上する。有機ELは今後数年で、液晶を上回る市場規模に成長するとみられる。開発競争で大きく出遅れたJDIは、資本・業務の両面で提携を足がかりとせざるを得ないのが実情だ。(万福博之)