新たなエネルギー基本計画の検討を始めた経済産業省の有識者会議=9日午後、経産省

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 経済産業省は9日、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)基本政策分科会を開き、政府の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の見直しに向けた議論を開始した。

 委員からは、原子力発電所の新増設に関する議論を求める声があがった。しかし、経産省は原発の再稼働を優先し、新増設の議論には慎重な姿勢だ。

 現行の基本計画は福島第1原発事故を踏まえ、原発への依存度の低減を明記。一方で原発を安定的な「ベースロード電源」と位置付け、政府が掲げた平成42(2030)年度の電源構成比率では「20〜22%程度」を占めるとした。

 だが、新規制基準に基づく安全審査の長期化で再稼働は進んでおらず、28年度の構成比は2%(推計値)だった。国内42基の原発のうち再稼働は5基にとどまっており、経産省は「その先(新増設)の議論は早すぎる」(幹部)と、再稼働を優先する意向を示した。

 一方で、原発の新増設や建て替えは「(完了までに)長い期間がかかるので、可能な限り早く議論すべきだ」(日本エネルギー経済研究所の豊田正和理事長)との声も根強い。

 来年3月までにまとめる見直し案では、再稼働の進捗(しんちょく)と新増設の扱いが焦点になる。